短編56
【拉致りとり②】
「人を呪わば穴二つ」なにを言っているのだ。人の体には二つどころか、指と足では数え切れないほどの穴があるではないか。呪って穴が二つ増えたとしても、支障はないだろう。「舐めてんなよ。致命的なところに穴空いてみー。天に召したからじゃ遅いよ」のろわれる事をする奴が悪い。
【玉や竿だけ】
「ねえ、じっちゃん。夏になると、どうしてたまたま、さおさおって連呼するの?」「アバアアア! 孫が淫乱スピリチュアルに、犯されちょる! このままでは、孫がピンクウォーカーになってしまい、夜の淫乱サディスト達に誑かされてしまう! いかん、いかんぞ、孫よ! 清く正しく生きるのじゃ!」
【玉や竿だけ2】
障子がクパァ、とご開帳なすって、そこに現れたのは、ベロと鼻にピアスを身につけた、強面おばあだった。「ナーニ、言っとんだクソジジイ! てめえ自体が淫乱サディストなんだよ、ボラァ!」おばあによる、ギリちょん縁側ラインから助走して放たれた、必殺オバロップキックが炸裂した。「アバアアア!!」
【玉や竿だけ3】
孫はその瞬間を見逃さなかった。若き時代に秘めし、潜在能力の片鱗が開放したのである。孫の眼が、とんでもないオバロップキックを目の当たりにして、孫の隠された力を呼び覚ました。「じっちゃーん、おっばあー! 見える、見えるでよ。世界がまるみーえ! これが、我が血筋のパワーレボリューション!」




