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短編53

【盗票3】

おーしまい。子供は変な大人についていっちゃ駄目よ。知らない人に声をかけられたら、すぐに逃げるのよ。それが対策、それが防止。小さい頃は理屈なんか考えなくていいから、周りの大人が「守れ」というのは守っとけば無難だよ。うんうん、それがいいと思う。それで、大きくなったときに気づけばいいんだ。




【盗票4】

滋賀県知事の当選だい。「わたくし、三日月大造は滋賀を、頑張ります」滋賀県民ですが、彼のことは毛ほども知りません。今日、初めての投票に出かけたけれど、パッと見の名前で選びました。「坪田いくお」「アムロいっくおー」みたいで良かったのにな。残念ながら、敗戦です。次期こそは当選してほしいものです。




【盗票5】

「あんさんや、つまり投票したのだろう。タイトルの票を盗むってどういうことなんだい」ああ、あれは半分成り行きだよ。ミスディレクションというか、タイトルインパクトだよ。そしてもう半分は後付け。盗むの意味に「時間をやりくりして、何かをする」という意味がある。ようは、暇だったので投票したってだけ。




【タイムシアター】

宿題をほっぽり、課題をほっぽり、睡眠をほっぽり、そこまでしてまで趣味に没頭していいものか。時間こそ全て、時間こそ命。こんなことをしてる内にも、こくいっこくと死に近づいている。短いか長いか。僕は短いと思っている。だからこそ、考え悩み、時間の使いようを探す。

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