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短編50

【悲比】

僕の運命は不幸だ。だから、あんな仕打ちを受けて、こんな体罰も受けて、救いの手を求めても、人っ子一人すら救い上げてくれない。他力本願は諦めろって。自己本願を諦めた自分はどうしろって。成す術はあるのか、ないのか。人と比べてしか、自分の不幸を和らげることができない。涙は枯れた。




【喜器】

道化師をつくろって、バーチャルな自分をつくろって、行き着く先というか、行き着かない先というか、つまりは「現実逃避」しているのだろう。リアルが嫌で嫌で、逃げ場所であるここに、居心地のよさを感じている。ちっぽけでみじめな安心。迫り来る危機から、そっぽを向いてのみ微笑む器。




【タラバカビ】

「北海道産のタラバカビ、今ならなんと500円で詰め放題。寄ってたかって、見て買って。今晩翌晩の夕飯にいかかでしょうか。お昼のお弁当にも詰めて、胃袋にも詰めて大満足」カニカニちょっきん、真っ赤なハサミと思いきや、お焦げのような見た目はまったくそそらない、黒色のハサミ。「試しに・・・」



【タラバカビ2】

人生は挑戦の連続だ、誰かがそう言った。ずんずん語り継がれる、人生経験の賜物だとは思うのだけれど、挑戦にはリスクが付き物だということを、注意書きしておくべきである。それも知らずに「あれやるぜ、これやるぜ」バカは死んでみないとわからない。「え、ぼく死んじゃうんですか」冗談ですってば。

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