短編37
【ラクラク出席くん6】
「やってやる、たかが42.195kmだ、俺の体重よりも、身長よりも小さい数字じゃねぇか。しかしまあ、完走は問題じゃーない、肝は授業時間に間に合うことだ」全脚力、フルスロットルだ。悲鳴をあげるなよ、俺の足。結果がすべて、ツベコベなしだ。
【ラクラク出席くん7】
「俺の母さん、まんぐり返しっ♫ 俺の父さん、勃起不全っ♫」半ば、替え歌18禁を口ずさみつつ、ペダルを漕ぐ。まだ夏の暑さはないが、季節変わりの節目にあたる5月、季節を変えんとばかりの向かい風、ぬうての進行を邪魔していた。「負けてたまるかよ!」
【ラクラク出席くん8】
ぬうてや、この物語のタイトルを知っているかえ。「へへ、幻聴が聞こえてきやがった」残念ながらお前さんが思う、カッコイイ題ではない。爆走ぬうてと、ヌジョーの奇妙な冒険とか、わかりやすい題ではないのじゃよ。いいか、よく聞け。ラクラク出席くんじゃ。
【ラクラク出席くん9】
「ほわっつ、暑さで頭がヒートしたか? 俺の物語の名前が”ラクラク出席くん”だって!? なんだよ、その生ぬるい題は。こちとら、未来の猫型ロボットじゃねえんだよ、ララ・サタンデビルークでもねぇんだよ、だれが命名したか知んねえが、ぶっ殺す!」




