短編20
【白い嘘】
世の中にはホワイトライ(白い嘘)というのがある。相手のためを思って、あえて嘘のことを言うことにより、お互い気持ちよくなるものだ。ただ、本質的には間違い。大切な人ができればわかるのだけれど、隠し事はできるだけしない方がいい。そういうのは、どこかでツケが回ってくるし、後ろめたくなる。
【見下しアーティスト】
アート歴30年、妙にリアルな経歴が彼を天狗にしていた。「ようよう一般市民! おまいらには意識改革が足りない。コレからは個性が命だ! 個性ないものはバッタバッタとドミノ倒しに合う。そこで俺様が指導してやろうって訳だ。てっとり早い方法は恥ずかしがらないこと。まずは人前でレッツ変顔!」
【変顔アーティスト】
ここをこうやって、こうすれば! あら不思議、モノの数分で劇的ビフォーアフターです! 私の変顔マニュアルを読めば、誰もが汚い顔を演出できます! 気になるお値段ですが、なんとなんと! 初回限定版に限り、10円でお売りします! 「うまい棒と横並びでいいんですか!?」ええ、まったく問題なし!
【変顔ハンター】
俺の仇名は”奇変のポルサム”世界の境界線を渡り歩き、四方八方からの銃撃を受けようがお構いなしに、変顔を決め込む男。その度に死にかけているが、伸び伸びと生きている。顔を変え、心を変え、個性を奪う。そんな俺の家業を人呼んで、変顔ハンターと呼ぶ。その証拠として、君達に一枚の写真を見せよう。




