短編14
【趣味】
英語でHOBBY、人呼んでホビマンは仕事をしない。趣味、趣向を仕事にしたくないと思ったからだ。何という贅沢か。少なからず趣を金稼ぎのために流用している人はいる。むしろ、それが理想だ。誰しも好きなが事を仕事にしたい。言い換えて、趣味を仕事にしたい訳だ。僕もその一人である。
【包装工程】
3D撲滅運動が激化している。今や2Dがリアルを侵食しているのだ。地球二次元化計画、情報量の圧倒的に少ない二次元の世界にしてしまうことで、なにもかもが簡素になり、誰もが衣食住を満たせるという画期的な方策らしい。便宜上、良い事尽くしに思えるのは錯覚だ。3Dと2Dの争いは続く。
【真っ青サンタ】
「いひひひ、お気の毒様。こりゃあ、サンタの代わりを探さんといかんねぇ。それにしても、これで何度めだい」サンタは数えきれないほど、撃ち落とされていたのだった。トナカイの空走中のことである。透明粉末を全身にかけてきたはずなのに、軍隊による攻撃を受けた。それが一度ならまだしも、立て続けに。
【彼の参拝劇】
歴史を遡ること幾年。私がオギャーと泣き叫ぶ前の、つまるところ明治2年(1869年)の古き時代のこと。靖国神社は建てられた訳で、神社という神社に興味のない私が語り尽くせる筈もないのですけれど、そこは修行がてらという、練習というか、知力を鍛えるためだと、ありそうなことを言っておく。