第3話:ランク分けとクラス分け
遅刻は回避不可能、となれば当然教官室に行かないといけなくなるのは必然だ。
進級式はとっくに始まっているし、サボるわけにはいかない。
影鷹「(はぁ……仕方ない…教官室に行くか…..)」
聖霞「どうするの?」
影鷹「……行くよ」
聖霞「それじゃぁ、私も行くね」
何故か、聖霞まで来るという
影鷹「なんでお前まで来るんだ?」
聖霞「いやー……今から一人で第9大館に行くのは……ちょっと心細いというか……ね?」
影鷹「 (ね?っていわれてもなぁ……) 分かったよ、行くぞ」
聖霞「やった!!」
この際仕方がないだろう、さっき見てしまったかもしれない「アレ」の、せめてもの罪滅ぼしということにしよう。うん、そうしよう。
聖霞自身は気づいてないのだろうか……いや、まぁ、それはそれで好都合……か…?いや、でも好都合ってことにすると俺は見て喜んでることになるな….それはそれで嫌だな….
などと教官室を目指して歩きながら悶々と頭の中で考えていると、聖霞が
聖霞「何考えてるの? えっちいこと?」
影鷹「ちげぇよ!!なんでそうなる!?」
聖霞「いやぁ~、だって私のパンt」
影鷹「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」
聖霞「ムグググググ!!?!!?!?!?!」
慌てて聖霞の口を塞ぐ。
こいつ、ほんとなに言い出すんだか……
影鷹「それ以上は……言うんじゃないぞ……?」
聖霞「…..(コクコク…」
二度頷いたのを確認して、俺は聖霞の口を塞いでいた手を解いてやった。
聖霞「プハッ……酷いよかげちゃん!!!」
影鷹「お前が余計なことを言おうとしたからだろ……」
聖霞「でも事実でしょ?」
聖霞がニヤニヤしながらそう聞いてくる。
影鷹「み、見てるわけないだろ!!」
聖霞「正直に言っていいんだよ?別に私怒ってないし怒らないから」
影鷹「(い、言うべきなのだろうか……だが…言わずに見ていないと言い張ることも……)
訝しげな顔で考え込む影鷹を見て聖霞が
聖霞「考えてる時点で、見たって言ってるようなもんだよ?」
トドメを刺した。
影鷹「…………」
聖霞「あれ、ホントに見たの……?」
影鷹「……あぁ//////」
影鷹は少し目をそらして照れたように答えた。
って、見てないと思っていたのか……見てないって言い張ればよかった。
聖霞「……(カァーーーーーーッ////」
影鷹「い、いや、その、悪気はないんだッ!!! ただ、ぶつかったら俺もお前も大怪我するだろうと思って……」
聖霞の顔が真っ赤になったのを見て、影鷹が慌てて弁解をし始めた。
正直見苦しい。最初から正直に見たと言って謝っておけばよかった。
影鷹「本当にすまない!!!! このとおりだ!!!!」
影鷹は頭を深く下げ、謝った。
聖霞「……お昼ご飯」
影鷹「お昼ご飯が、なんだ?」
聖霞「お昼ご飯作ってくれたら、許す」
聖霞は、涙目でそう答えた。
影鷹「ま、まじすか……」
聖霞「……文句あるなら許さない」
影鷹「…ないです」
聖霞「よろしい♪ 約束ね♪」
そして、鼻歌交じりに聖霞は歩き出した。俺も後を追う。
機嫌はなおったみたいだ。
この目の前の、小柄でスタイル抜群の少女は、よく食うのだ。
その分、たくさん作らなければならない。それこそ、俺の体力が持たないくらいだ……
これだけ小さい体にどれだけ入るのかは、未だに謎だ。
その栄養は、やはりその胸に行き届くのだろうか……
影鷹は、聖霞のその豊かな胸を少し観察してみた。
小柄なだけあって、やはりCでも大きく見える。
なぜ俺が聖霞のバストサイズを知っているのかは、中3の冬にとある男子たちが話していた話がたまたま聞こえたからである。
かなり不快な気分だったが……聞こえたものは仕方がない。
影鷹「(聖霞はスタイルもいいし、かわいいからモテるんだろうな)」
実際聖霞は中学時代、モテていた。
何故か告白された度に、俺に報告をしてきた。
……などと色々考えてるうちに、教官室に着いた。
聖霞「着いたよー」
影鷹「ん、あぁ、うん」
聖霞「また考え事?次は何考えてたのー?」
聖霞が首を少し傾げて聞いてくる。
影鷹「中学時代のことを少しな」
聖霞「ふーん」
影鷹「それじゃぁ、俺は少し遅刻したと報告してくる。」
聖霞「私、待ってるね」
現在時刻は8時40分、少しアクシデントがあったため少し遅くなったが、まぁ、大丈夫だろう
影鷹「……(コンコンッ」
???「どうぞ」
影鷹「(ガチャッ)…..失礼します」
扉を開けた先に居たのは
影烈「ん、影鷹じゃないか!? どうした!? 進級式は!?」
父さんだった
影鷹「遅刻しました。着いた時にはもう進級式が始まっていたので、教官室に行けばなんとかなるんじゃないかと思い、来ました。」
影烈「なるほどな……どうせ風雫だろう?」
影鷹「はい」
影烈「だろうなぁ……それ以外にお前が遅刻する理由はないだろうしな」
影鷹「(理由はそれだけじゃないんだけどな……)」
色々アクシデントがあったのは伏せておく。
今は立場上、教官と生徒であるため敬語で喋ってはいるが、家やプライベートの時はもちろん普通に喋っている。
影烈「さて…進級式に出席しないとこれからの日程が聞けないが……まぁ、俺もあまり時間がないが、仕方がないから今俺が話そう。」
そういい、影烈は机にあった用紙を影鷹に手渡した。
影鷹「これは……?」
影烈「ランク分けとクラス分けの為に行われる、試練の内容が書かれたプリントだ」
中等部までは試練などなく主に個人の魔力の多さ、体内に宿る魔力がどれだけあるかによってランク分けされ、そのランク内で教師や教官達が勝手にクラス分けをしていた。
高等部からはどうやら試練を行ってランク分けをするらしい。
影鷹「試練、ですか」
影烈「そうだ。学園内にあるよく〝Monster″との模擬戦によく使われるダンジョン。あのダンジョンで試練を行う。試練の達成条件は用紙に書かれている、あとでよく読むといい。」
そう言い、影烈は教官バッジを腕につけた。
影鷹「どこに行くんですか?」
影烈「試練の期間が今日の昼からだからな。俺も仕事しなくてはならん」
影鷹「(なるほど、試練の監視か)」
影鷹はそう思い込み、用紙をポケットにしまいこんだ。
影烈「聖霞ちゃんにも、ちゃんと伝えておけよ?」
影鷹「……分かってるよ」
影鷹は少し笑みを浮かべながらそう言い、いつも通りに話して教官室を出た。