第20章:レベルアップ
サッカーの戦術の話なのでわからない方もいるかもしれませんが
ご容赦ください
家に帰ったシュートは、気分転換になんとなくテレビをつけた。
ちょうど 日米野球をやっていた。
解説者が言う。
「アメリカチームは、状況に応じて“攻撃型”と“守備型”を
瞬時に切り替えることがあります」
「ツープラトン作戦とも呼ばれています」
シュートの目が見開かれた。
(……切り替え? 俺たちはずっと“走り続ける”だけだった)
胸が熱くなる。
(トータルフットボールを“常時”じゃなく、“使うタイミング”を選べば……)
「しっちゃんに……伝えなきゃ!」
シュートは走り出した。
しっちゃんはずっと机に向かっていた。
ワールドカップの総集編。サッカーマガジンを読み漁ってた。
机には
“トータルフットボールの基礎”
“ラインコントロール”
などのページが広がっていた。
息急き切ってきたシュートに、
しっちゃんは言った。
「俺たち……走りすぎなんだよ」
「トータルフットボールは“使いどころ”があるはずだ」
シュートはうなずきしながら言った。
「やっぱりそう思うか!」
二人は机に向かい、ノートを広げた。
トータルフットボールを“常時”ではなく“局所的”に使う
相手の集中が切れた瞬間にスイッチを入れる
誰がスイッチを入れるか、走力の配分
しっちゃんは外から指示を出す役割
しっちゃんはもう一つの戦術も必要だと思い
シュートに伝えた。
それは”オフサイドトラップ”
守備の走る距離を減らしかつ守備から攻撃への
起点となると。
(これなら……勝てる)
(県大会に行ける……!)
夜遅くまで二人の戦術会議は続いた。
翌日の練習前に、シュートがキャプテンに声をかけた。
「キャプテン。 前の試合……後半、走り負けてた。
このままじゃ3回戦は危ない」
キャプテンは苦笑した。
「わかってる。けど、走り込みだけじゃ間に合わん」
シュートは静かに言った。
「だから、戦い方を変えたい」
「ツープラトンとオフサイドトップを
チームに導入したい」
キャプテンが目を細める。
「オフサイドトラップ?」「ツープラトン?」
副キャプテンやチームメンバも含めて議論した。
キャプテンは腕を組んだ。
「やってみよう。いつもなら市内大会で敗退で
俺たち3年はすでに引退している時期だ」
「新しいものへのチャレンジはかまわない」
シュートは頷いた。
「チームのコントロールはキャプテンでお願いします」
こうして、3回戦に向けてツープラトン、オフサイドトラップの
練習が始まった。
切り替えの練習は想像以上に難しかった。
キャプテンは守備ラインの経験が少なく
オフサイドトラップのタイミングが噛み合わない。
副キャプテンが苦笑した。
「キャプテン、ちょっと早いっす」
「いや、今のは遅いわ!」
キャプテンは頭をかいた。
「……難しいな、これ」
シュートは言った。
「でも、やるしかない。 3回戦で試しましょう」
キャプテンは深く頷いた。
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