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魔法が日常となった世界で、今日も地球は廻る。  作者: おみたらし
2章_3 敵拠点、潜入計画編
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88話 明後日

 真銅がユウヤに治癒の術をかけてから2日経過した。最初はあまり信じられなかったが、この日の朝を迎えると本当にユウヤの体は驚くほど軽くなっていた。


「すっげぇ、体がまるで風船になったかのように軽い! 先生の言う通り……!」


「おはようございます……その様子、すっかり回復したみたいですね」


「せ、先生!」


 病室に現れたのは真銅だ。ユウヤのコンディションが元通りになっているとかなり自信があったようで、朝7時に早速訪ねてきた。


 さらに真銅は早速1枚の写真を渡してきた。どうやら場所はA県Nエリア都市部の端のほう、倉庫がひっそりとそびえているらしい。


「この廃ビルみたいなのが奴らの倉庫なんですね……」


「はい……ただ、2つ懸念点があります。まず1つ、奴らはその倉庫は常に監視されていること。そして2つ、これはここの近くに住む知り合いから送られてきた情報ですが……この倉庫は消えたり現れたりを、日替わりで繰り返すそうです」


「き、消えたり現れたり!? なにそのキッチンカーみたいな……」


「ただ、それこそキッチンカーみたいに移動してを繰り返しているとは考えにくい……とにかく、現地に向かわないと話は進みません」


「そ、そうですね……」


 困った。チーム・ウェザーはかなり厳重にセキリティを固めているようだ。アクセサリーを模した洗脳装置を作れるだけにとどまらず、その中には錬力術のエキスパートとでも言うべき実力者達が多く属している。


 ヒビキが授業に攻めてきたあの日。一旦撃退することはできたものの、チーム・ウェザーがここまでやっかいで、しかも長期間戦い続けることになると分かったのは後になってからだ。


 もしあの日、ユウヤがヒビキを追い払っていなければどうなっていただろうか? イチカも大学をボロボロにされたと言っていただけに、ユウヤの手だし関係なく攻撃を受ける未来は変わらなかったかもしれない。ただ、もう少しマシな現状で学びを続けられていたかもしれない。


 だが、ユウヤは奴らに手を出した。そしてその日に多くの犠牲者を生み出してしまった。正直なところ、ユウヤの中にはある程度の罪悪感があった。直接手を下したのはヒビキだとしても、その引き金となったのは自分であると。


 とは言っても、奴らは今洗脳装置を広く流通させようとしている。これが多くの人々の手に渡れば待っているのは地獄絵図そのものだろう。

 そう考えると言葉は悪いかもしれないが、ユウヤは手出しをしたことで悪夢を目の当たりにしたが、さらなる悪夢を止められることにも繋がるチャンスを手にしたともいえるかもしれない。


 ……どちらにせよ、ユウヤの今の気持ちは1つしかない。


「……先生」


「はい、どうしました?」


「トレーニング、お願いします! 移動日まで、みっちりと!」


「待ってましたよ、その言葉。それでは車で移動します。注意して、乗っていてくださいね……」


「……注意、して?」


 ユウヤはその言葉に違和感を覚えながらも早速真銅の車に乗り、訓練場へ移動することにした。

 


 



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