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魔法が日常となった世界で、今日も地球は廻る。  作者: おみたらし
2章_2 コウキ始動編
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69話 不穏な通知

 アズハを撃破したユウヤ。この夜、ユウヤは酷く疲弊していた。全身が筋肉痛に襲われ、何より眠ろうとしてもなかなか寝付けないのだ。


「くっそぉ、ケルピーのやつ()()()()だろ……ペガサスの時はここまで酷くねぇって……」


 ユウヤは何度も寝返りを打ちながら楽な姿勢を探す。何度もバタンバタンと左を向いては右を向くを繰り返していると、ふと1枚の写真が目に入った。

 2058年度、リサトミ大学入学生。新歓の時に撮った写真だ。写真の右端の方には、タケトシとユウヤが仲良さそうに肩を組んでいるところが撮られている。


「タケトシ……絶対に助け出してやるからな」


 タケトシは今、チーム・ウェザーに監禁されている。スマホが使える状態なのか否かははっきりと分かっていない。タケトシとのトーク履歴を見ると、数件の安否確認メッセージで画面が埋め尽くされる。が、どれも既読が付いていない。

 ユウヤが立っているのはまさに先が見えない吹雪の山である。下手に動けば命を落とし、だが動かなければ命を落とす。最適解を常に出し続けなければ、今後バッドエンドだってありえるのだ。


 意味もなくメッセージアプリを閉じては開いてを繰り返していると、1件のニュース通知が入ってきた。

不沈陽しずまず 自身監修のアクセサリー各種をプロデュース”


「あぁ……あいつか。ちょっと見てみるかな」


 その通知をタップすると、動画付きのニュースサイトが開いた。サムネイルにはマッシュにウレタンマスクの男が映っている。


《はいどうもファッションの神様でえええええすっ! こここ今回はぁ! 誰もがもはやボクみたいになれる! そんなアクセサリーをぉぉぉ! 紹介いたします》


「相変わらずキャラ定まってねぇなこいつ、情緒不安定かよ」


《まずはこれ! これからの時期にオススメの指輪! アクセを付けていると一気にオシャレをレベリング可能! 憧れのあの子って中ボス、いやもしかしたらラスボスを攻略しちゃえー! サイズも多種展開!》


「へぇ、かっこいいな。言い回しだけは」


《続いてはこちらぁ! Tシャツ、ボクの寝起きの顔がプリントされて――》


「アクセサリーじゃねぇじゃねえかあああああ!」


 思わずユウヤはスマホをベッドに叩きつける。


「久しぶりに見たけどクールキャラでいきたいのかイケイケキャラでいきたいのか、面白キャラがいいのか分からん……」


《そして最後はこちら! とってもイケてるピアス! 実はこれ、当たりはオレと通話ができるシステムになってまあああす! 発売は再来週、今から頑張って作りまぁす! それではみんな、ぜひ買ってねえええええ!》


 動画はここで終わった。


「……変なピアスで終わりか。こんなの買うやついるの……っ!?」


 ユウヤは驚いた。なんと、既にコメント欄は「ピアスほしい」とか「Tシャツ買うわ」などで埋まっていたのだ。流石人気インフルエンサー、といったところだ。

 ユウヤはその様子を少々恐ろしくも思ったが、気付くとユウヤの体は勝手に眠ろうとしていた。そんな時だった。急に、イチカとカエデが同時にメッセージを送ってきた。驚いてスマホを覗くと、栄田のカフェに来てくれという内容が両方に記されていた。

 何があったのだろうか、ユウヤはカエデとイチカに通話をかける。


「カエデ! どうしたんだ、何かあったのか!?」


「うん! それがね、ちょっと立ち寄ろうとしたらカフェの中が大惨事になってて……急いで逃げてきたんだけど、かなりヒカリちゃんが大変なことになってて!」


「ヒカリ……あのアルバイトの子か!」


「そうなんだよ! ちょっとすぐ来てくれ、ウチ達じゃどうしようも……」


「わ、分かった! ダッシュで向かう!」


 ユウヤは寝間着のまま、急いでカフェへと向かいだした。


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