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魔法が日常となった世界で、今日も地球は廻る。  作者: おみたらし
1章-2 冒険の始まり編
23/221

21話 対チーム・ウェザー突発会議

 ユウヤは占い師のメイのところから帰宅すると、慣れない真面目口調でグループにメッセージを送った。


“仲間もかなり増えたようなので、今日の夜8時から顔合わせのテレビ会議を開こうと思います。いきなりで申し訳ありませんが参加可能な方はぜひ参加してください”


「これでよし、と。今のメンバーはオレ、タケトシ、カエデ、イチカ、メイさん、あと……シュウタロウという人か。イチカが招待してくれているあたり、早速誰か誘えたみたいだな」


 初めは単騎でチーム・ウェザーに挑もうとしていたユウヤ。今改めて思えばそれはかなり無謀であった。思っていたよりも多くの団員がいて、次々とユウヤ達に襲いかかってきた。1人ではかなうはずなんてない。だからこそ今では仲間がいることの心強さが身にしみて分かる。

 特にユウヤは今、メイとシュウタロウに興味津々だ。一体どんな戦闘スタイルで、得意なことは何で、これからどうやって敵を倒していってくれるのだろうか? 今日の会議にもし来てくれたなら、聞き出してみよう。



 ユウヤが楽しみにしていた時はすぐに訪れた。突然呼び出してくれたのにも関わらず、嬉しいことに集まってくれたのだ。1人を除いて……5人のチーム・ウェザー対策会議が今始まる。


「それでは……会議を始めようと思う」


「おっすユウヤ! 仲間連れてきたんだぞ、褒めてくれよ!」


「……これがイチカはんが言ってた、ユウヤはんっちゅうリーダーか」


「おいユウヤ、誰だ? このエセ関西弁の人は」


「いきなり辛辣やなぁ、アンちゃん。うた時、絶対に覚えときや」


「オイオイ、ヤメとけ。オレだって筋肉を仲間との喧嘩に使いたいんじゃない」


「先制攻撃しといてそれはないんちゃうかぁ? なぁ、タケトシはん」


「おいユウヤ、こいつなんか危険な香りするぜ? 大丈夫か?」


「け、喧嘩はやめようよ! ほらユウヤも止めて止めて!」


「そ、そうだぞユウサク! リーダーなんだからよ、統制しなって!」


「ユウサクじゃねぇわ! ……まぁ、落ち着いてくれ。今回集まってもらったのは他でもねぇ。ある程度メンバーが集まったところで改めてチーム・ウェザーへの対策を話し合いたくてな。まずは案を出してほしいんだ」


「あぁ、最近よく聞く奴らやな。片っ端から潰していく他ないやろ」


「対策!? そりゃウチが“わからせる”しかないな、バッセン勝負にクイズに――」


「いや、普通に特訓して戦うしかなくね? オレ達大学ぶっ壊されてんだ。そう思うよな、ユウヤも」


「……確かにタケトシが言う通り、平和的解決が通用しような団体ではない。ただ1つ懸念があって、来週からオレ達はオンラインで講義が再開する。そのオンライン講義の環境すら潰しに来るかもしれねぇ、だから時間は余裕でない」


「それはオレもそう思うけどよ、特訓は絶対にしないと勝つのは不可能だぜ?」


「ならさ、栄田さんのところに定期的に通うのはどうかな? 我流で進めるより師匠がいたほうがいいと思うな、そうだよねタケトシ君!」


「そ、そうだと思うです!」


「何や、結構おもろいやんかタケトシはん」


「や、やっぱりこの喋り方が鼻につく……」


「ん? 何か言いはったか?」


「お、おいタケタロウとシュウヒト! 喧嘩はよせよせ!」


「「名前混ざってるー!」」


 なかなか意見がまとまらない中、1人の入室を通知する音が聞こえてきた。


「ホントは参加するつもり無かったですけど……他のメンバーが全員いたので来ましたわ」


「き、来てくれたのは嬉しいけど……皆もうずっと前からいるぞ」


「ごめんあそばせですの〜! 仕事終わりに半額のケーキ買って帰るのが忙しすぎましたわ」


「……なぁタケトシはん。この姉ちゃんの語尾には突っ込まへんのか?」


「あぁ。正直思ってることは同じだ、七田」


「名字で呼びはるんか、冷たいやっちゃなぁ」


(こいつら……来てくれたのは嬉しいが、これでは水と油のオンパレードだ)


 ユウヤは頭を抱えた。度々小さな喧嘩が起こってしまう。画面越しの会議でさえこれでは、今後どうなるんだろうか? 就職活動のようにどうにかして面接やディスカッションを行ってからメンバーを厳選すべきだったのだろうか? ユウヤはストレスで胃が痛んでいた。ユウヤはもはや半分萎えてしまい、それぞれの自己紹介と栄田のカフェ兼道場を紹介するのみで今日は会議を終えることにした。


「じゃあ順番に自己紹介していってくれ。オレは鳥岡ユウヤ、錬力の属性は風だ。オススメの修行場所があるから皆できれば行ってくれ、詳細は後で写真を送る」


「月村カエデです。錬力術は草属性を得意としています。趣味は体を動かすこと、よろしくね!」


「岩田タケトシです。錬力術はこの広大な大地そのもの、地属性だ。筋トレしてるので同志いたらよろしくな」


「ウチは熱気を纏って戦うのが得意だ! そして暴威留ほいーるのリーダーでもある、名前は奥野イチカだ! 一応チームメンバー達も沢山いるんでな、文字通り百人力よぉ!」


「シュウタロウ。七田シュウタロウや。物や人の動きを操る、まぁ運動エネルギーの操作がワシのスタイルやな。どうぞよろしくや!」


「山浦メイですの! 戦闘スタイルは見たときのお楽しみですわ! 好きな食べ物はパスタやケーキですわ〜!」


「……全員終えたな、それでは今日はここで切り上げる。各自授業の予習だったりゲームだったり修行好きなことをしてくれ、それじゃあおつかれ」


 順々に皆が退室し終わった後、ユウヤは1人だけとなった会議画面でため息をついた。


「ハァ……これどうなるんだ……」


 それでも仲間は集まった。チーム・ウェザー壊滅への道を1歩、ユウヤ達は進んだのであった。

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