表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法が日常となった世界で、今日も地球は廻る。  作者: おみたらし
4章 現代事変〜肆〜
177/221

175話 事変のプレリュード

 2059年、世間はゴールデンウィークで行楽シーズンに突入する……はずだった。


 だが、待っていたのは最悪の悪夢。ある者は突然「ホリズンイリス族」という効いたこともない一族を称えだし、またある者は聖霊と強制的に同化、理性を失った異形と化し、全国各地は地獄に変わった。


「グアアアアアアア! ワシは数百年ぶりに復活したぞ、人間という器のお陰で、マンティコア様の再来だ!」


「キャーー! 食べられる、たすけ、て……」

「くそ、こっちもモンスターいるのかよ……!」


「グァーッハッハッハ! ホリズンイリス一族に従うのだああああああ!」


「うわ、なんだよ、うわあああああああ!」

「ほり……って何だよ、怖えーよこいつら!」


 まるでゾンビ映画のような光景である。逃げ惑う者と暴れ、彼らを追う者。錬力術の実力者達は各地で何とか暴徒と化した者達を足どめするものの、ロドリゲスやコウキが仕掛けた「バフ」のせいで一筋縄ではいかない。



「もし地上にも太陽が生まれるなら、それはきっとオレの仕業だぜ……そうだろ、マイシスター?」


「カッコつけてる場合かよ! ほら、さっさと倒すぞ、目の前のバケモン達を!」


「おおー、勇敢勇敢、流石ボクのマイシスターだ――」


「うるっせぇ! 力でわからされてぇか、馬鹿アニキ!」


「もー、イチカちゃんはすぐ熱くなる……でも、そこがチャームポイントッ!」


「うるせぇ、お前もこうしてやろうか、火突ひーとぉぉぉ!」


「グオ、グアアアアアア!」

「ヴオオオオオオオ!」


(マイシスター……ボクも負けてられないね)


「やい、悪者達! ボクが成敗するから待ってな! ダイナミック……フルパワー……なんちゃらかんちゃらキックだあああああああ!」


「グギャアアアアアアア!」

「グアアアアアアアアア!」



「さ、さすがモニトーさんとその妹ちゃんだ!」

「頑張れ、2人ともー!」



「うおおおおおおお! 応援の力がボクを押してくれるぅぅぅ!」

「チッ……ユウヤ達、無事でいてくれよっ!」



 繰り返しになるが、暴徒達が暴れているのは日本全国である。だから当然、離れた場所でもユウヤの仲間達はそれぞれの場所で敵と戦っている。


「せっかくのゴールデンウィークに、これじゃ花に嵐どころですらありません……ともかく私は戦わなければなりませんね、こいつらと。この歳で連日の連戦は、2つの意味で少々骨が折れちゃうかもしれませんが……」


「グギャアアアアア……ニンゲン、ケス……!」

「世界ハ、我ラノ物トナル!」

「邪魔スルナラ……消エテシマエッ!」


「次から次へと連戦、連戦……これじゃ休日出勤を強いられてばかりの社畜……だが、私がここで逃げるなんてとんでもありませんね……発動、“黄昏時”ッ!」



 奥野兄妹も、栄田マスターも。それぞれの場所で街を、平和を守ろうとしている。問題は同時にそれが起こっていること、それがことの重大さを表していた。



「チッ……アタイ1人でこんなに大勢を相手しろってのかよ……! ヒビキ……アンタを実は頼りにしてたってこと、今更気付いてしまったよ……」


「何ヲ喋ッテルンダ、遺言ノツモリカ?」

「サッサト覚悟、決メヤガレ……!」

「グオオオオオ……オマエ、喰ッテヤロウカ?」


「ちっ……セイレーン・サイレン! 喰らええええええ!」


 この戦いは、全国で同時に繰り広げられているうちのほんと一握りである。平和なんてものは、もうこの国にはないし、いずれ世界全体にその波は広がっていくだろう……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ