142話 神々の会議
人間は、これまで文明を進化させる中で様々な技術を生み出してきた。
火から始まったとも言える人間の歴史。時代の流れとともに様々な道具、社会を作り上げ、現代では人間が人工的に知能システムを作り上げるまでに至った。
また、現在生存している人類はホモ・サピエンスとされている。しかし、隠れた人類がひっそりと、見知らぬ聖域に生存していたとすれば、2つの種族が対峙したとき、再び争うことになるのだろうか?
「……外界の様子はどうだ、やはり吾輩らの忠告を無視し続けているか?」
「はい。あのグレーゾ? とかいう科学者、プロメテウス様が夢にわざわざ現れて忠告したことを無視したようです……つい最近クヌム様が派手に処刑しちまいましたがね、人類は今のところ錬力術を放棄する気は無さそうです」
「ったく……いくら我らから奪えば気が済むのだ、人間とやらは!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいよプロメテウスさん……反・オレ達ホリズンイリス一族の勢力を削っていけば嫌でも服従してくれますって、アイツら」
「えー、でもそれって確証あるのかなぁ? トール様にあれだけ憧れて忠誠を誓ってた……しののめ、ヒビキ? って人もボク達に反抗し始めてるんでしょ?」
「そうだよー。トール様ももーちょっと危機感持ってよ。クヌム様がカッコつけて暴れちゃったせいで、もしかしたら反対勢力、数億人とかになっちゃうかもよ?」
「フッ……それなら心配ないよ、坊や達。こっちで計画は着々と進めているからさ!」
謎の人物達が会議を開く中に颯爽と現れたのはコウキ、いやクヌムであった。火山が噴火したかのような剣幕でクヌムに激怒するのはプロメテウスだ。
「お、お前はクヌム……! この前は無駄なことをしやがったようだな、100億人に見られたと言うんだぞ、逆に反対勢力を生みかねないことをな!」
「まぁまぁ、逆に布石も用意しといたんだよ! それはね……」
「……それは?」
「鳥岡ユウヤ、いやジェフリー・ゼピュロス・ホリズンイリス。アイツを利用してやることさ。詳細はナイショ! んじゃあねー」
「おい、ちょっと待てやクヌム……! ったく……自由奔放なクソガキだ!」
プロメテウスは地面をバンと握り拳で殴ると、ゆっくりと立ち上がって呟いた。
「……こうなったら吾輩が人類を焼き焦がしに行く。近いうちにな」
「近いうちって一体何百年後の話? 外界の人間の寿命は、ボク達よりずーーーっと短いんだよ?」
「……ま、見ておれ。最悪の革命の始まりを、な」