八字架 磔ピンチで言ってほしいフレーズ
この世にはお約束のフレーズというモノが数多くあります。
無論、それは磔拘束にも当てはまります。
ということで今回は、磔にされたキャラクターに言ってほしいセリフを、完全な主観で数例挙げてみましょう。
これを用いれば、貴女の小説の磔シーンがもっと輝く! かもしれません……。
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1:「どうするつもり?」「何をする気?」
はい、個人的に王道中の王道です。
これは「監禁」「拷問」シチュエーションで用いると効果的ですね。
「これから何かをされるに違いない」という不安。
そして、それを理解した上で、それに抵抗しようとする意志が現れた一言だと思います。
勝気なキャラに言わせると、
「くっ……!」→「う……うう……」
「何をされようが……耐え凌いで見せる!」→「ぐあああああ!!」
という、拷問と失神コンボや、無駄な反抗からの無様な悲鳴コンボを引き出すことが可能です。
逆に最後まで折れずに反抗するパターンも磔という絶対敗北の状況下ではひと際光る部分がありますよね。
逆に弱気なキャラにこれを言わせると、
「ひっ……嫌っ!」→「いやあああああ! 助けてえええ!!」
「許してください! 何でもします!」→「やめてええええ!! 何でもします! 何でもします!!」
等の、恐怖で心折れてからの悲痛な悲鳴コンボ、及び命乞いからのさらなる命乞いという、完全敗北コンボへ繋げることが出来ますね。
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2:「なっ!?」「なにこれ!?」
「困惑」もシチュエーション的に美味しいですよね。
大体罠にかかったり、敗北して意識を失ってからのコレというのが王道と言えるでしょう。
磔という拘束手段は決して一般性癖ではありません。
もちろん磔台にかけられる側も、まさかそんな状況に置かれるとは思ってもみないわけです。
キャラクターを捕らえるという目的だけなら、牢屋に幽閉したり、ロープグルグル巻きでもいいわけですから、磔にしたということはその拘束でなくてはいけない状況を敵が作り出していることを示すので、敵の目的の説明に繋げることができます。
意思を持たない相手による磔まがいの行為に対しても使われることがありますね。
このセリフが出た場合、大体が「晒し」「公開処刑」「人質」「肉壁」のどれかでしょう。
それをヒロインに伝えると同時に読者にもそれを伝えることができ、その後の展開はいかに脱出するか、どのように救助されるのか、という先の展開を予想させることもできます。
それに沿うも良し、予想を裏切るもよしの、作者も読者も一定の緊張感を持って書き、読める状況を作り出せるフレーズと言えますね。
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3:「悪趣味だな」「悪趣味ね」
これも良いフレーズです。
普通に考えて、捕えたキャラを磔にする行為は悪趣味です。
しかし、このフレーズを入れることで、「その世界観においても悪趣味なことである」という価値観を提示することが出来、磔にされたキャラクターに悪趣味なピンチが迫っていることを告げることが出来るのです。
これによって、場面が切り替わり、別のキャラが描かれると、読者は磔にされたキャラの安否に対して緊張感を抱き、救出を試みる者たちの同行にやきもきします。
そして場面が再び切り替わり、磔にされたキャラの身に起きた悪趣味なことを暗に示すと、敵への嫌悪感や、救出を試みた者たちの不甲斐なさ、無念を強調して伝えることができ、救出と敵を倒すことへのカタルシスを強めることに繋がる、というわけです。
さじ加減を間違えると作者ご満悦読者ドン引きになりかねないのでご注意を!
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4:「痛っ!」「うっ……」「苦しい……」
「苦痛」の言語化!
コレも結構グッときます!
磔ピンチ界隈でメジャーな、足元に台が無いタイプの十字架磔は、冷静に考えて無茶苦茶痛いです。
全体重が手首と足首(枷のタイプによっては首にも)にかかるわけで、しかもそれでずり落ちない程度にキツく拘束具なり枷が巻かれているわけで、それが激痛を伴うことは想像に易いですね。
鎖でグルグル巻きや、謎のエネルギーでの拘束や、触手肉壁拘束でも、相当の力で四肢を固定されている訳で、何らかの苦痛は伴うものと思われます。
この描写は軽度なリョナ要素として、読者の関心を誘えますし、痛みに焦点を当てれば、「もっとキツくなるように仕向けろ」「早く助けないと」という相反する緊張感を同時に生み出せます。
そして個人的にこのセリフが導き出せる最高の展開は、「磔から解放された後のダメージ描写」です。
苦痛を伴う環境に長時間おかれたわけですから、体は万全であろうはずがありません。
ふらつき倒れる、仲間の補助なしに立てない、等の自身の敗北を再度噛みしめさせたり、味方に対して負担や心配をかけるというプライド損傷、そしてそこからくる自責の念を描写できるのです。
高飛車なキャラがそれをされ、救出後に少し素直になるという展開に繋げたり、師匠キャラがそれによって主人公の実力への見方を改める展開に繋げると良いでしょう。
あまりダメージ描写をキツく書くと、例によって読者のドン引きを招くのでほどほどに!
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5:「来ないで!」「来ちゃダメ!」「来るな!」
助けに来た(もしくは来るであろう)仲間に向けた言葉ですね。
被磔者が人質ないし誰かを釣り上げるための餌にされている場合に見られます。
助けに駆け付けた仲間へ直接叫んでも良いですし、磔台に身を委ねながら心の中で(来ないで……!)なんて念じるのもいいですね。
このパターンでは、人質がいるせいで手出しが出来ない仲間を見て、自分のせいで仲間がピンチに陥ることへの自責を感じるキャラクターの苦悩が味わえます。
人質の場合は、仲間が手出ししたら電撃が流れるみたいな拷問装置付きの場合もありますね。
多くの場合、何らかの逆転の一手で仲間が窮地を脱したり、もしくは第三の仲間が磔台にこっそり忍び寄って救出、という場面が多いように思います。
小説の描写として、助けに来た仲間は、被磔者のために体を貼ることが出来る、危機に飛び込むことができる、という印象を読者に与えることが出来、所謂「惚れイベント」「見直しイベント」として有効に使うことが出来るでしょう。
個人的には、強い師匠キャラが敵に掴まって、弟子である主人公をおびき出すのに使われ、そこで主人公の成長を実感する……みたいな展開が美味しいと思います。
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磔熱もクールダウンしてきたので、今回はここらで止めておきます。
フレーズをと用量を適切に使って、グッとくる磔シーンを演出してみてくださいね!