三字架 磔からの救出
前回は執筆カロリーを下げると言いつつ、結構な熱量になってしまったので、今回は本当に省エネで磔語りします。
磔の魅力はパート1~2で少々語らせていただきましたが、意外と着目されないのが「救出時」のシチュエーションです。
磔の魅力に、被磔者の自力での脱出困難さがあるとパート1で話させていただきましたが、それってつまり「助かるためには仲間による救助が必要」ということですよね。
被磔者に出来ることは仲間の助けを信じて待つことだけ……。
この要素って、仲間の精神的な関係性の描写に凄く良いと思うんですよ。
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例えば、捕らえられ、磔で晒され、処刑予告を受けた仲間を助けるために、普段はいがみ合ってるキャラ同士が協力し合う。
(この場合その二人のいがみ合いが遠因となって仲間が捕まったという展開にすると美味しい)
(直接的な原因にすると無能な仲間割れキャラになってしまうので、あくまでも遠因にすると吉)
とか。
また例えば、仲間たちと喧嘩して、一人強敵に戦いを挑んだ末に磔にされたキャラが、今生の際と思って「なんであんなことしたんだろう……」「あんなこと言って出て来たんだから、助けになんて来るわけないよね……」みたいな後悔と懺悔の気持ちで頬に涙を伝わせる……。
だが、彼女の耳に聞き覚えのある声が……!
とか。
尊さがありますよね。
まだ5パターンくらいシチュエーション妄想が浮かんできてますが、ちょっと省略……。
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そしてそんな救出展開のクライマックスと言えば、やはり十字架から下ろされるシーンでしょう。
某神の子でさえ生きているうちは叶わなかった磔からの生還ですからね。
そりゃもう盛り上げどころですよ。
上記の2例からの救出と仮定して、
前者ならば、仲間の一人が鎖を技で切断し、倒れ込んでくる被磔者をもう片方が抱きとめる。
(この時、いがみ合いつつも戦闘から鎖切断までコンビネーション抜群だと良い)
磔のダメージで手足両肩が痺れて動かせない被磔者を左右から仲の悪い二人が挟んで肩を貸し、
「どっかの誰かのせいで大変だったなぁ!」
「どこかの誰かがあんなヘマしなかったらこんな目に遭わなかったのにねぇ?」
と、互いの憎まれ口を叩き合い、それに対して被磔者が
「ええ……お二人のせいでひどい目に遭いましたよ……。でも……助かりました、ありがとうございます」
と言い返すと、普段は仲の悪い二人が顔を見合わせ、作中初めて微笑み合うとかだと「尊いよお……。雨降って地固まるの尊いよお……」となりますよね。
後者だと、被磔者のキャラは一瞬頬を緩ませるも。
「来ないでください! 私なんか……放っておいて……!!」
と、一度拒絶します。
ここでうっかり即助けを求めてしまうと、ヘイトが貯まるので注意しましょう。
それに対しての返答で、キャラクター性が出るんですが、私は
「うるせぇ! 黙って助けられてろ!」
とか
「好き放題言って出て行っといて何言ってんだ! 俺にも好き放題やらせろ!」
とか
「感情的になって出て行った被磔者を感情論で助けに行く」感を出すキャラが好きですね。
当然のように無言で助けに来るキャラも頼れる人感が出せて良いと思いますよ。
さて、この展開だと被磔者の反省に繋がる展開が望ましいので、助けに来たキャラは手酷くやられます。
でも最終的に敵を全員倒して被磔者の元へ。
鎖を一気に切断するもよし、十字架を倒して、一個一個解くもよし。
そして被磔者は抱きとめられるなり、抱きあげられるなりされます。
「ごめんなさい……私のせいで……」
と泣き崩れる被磔者。
これに対しての返答もキャラクター性出したいですよね。
個人的には、被磔者の非、自分の非、(ついでにこの事件で何か敵に対する収穫があるとGood!)を全てのみ込んだうえで、
「何も言わなくていい」
と返すキャラが凄く好きです。
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と、まあ、こんな具合で捕縛から救出までドラマ性たっぷりの磔シチュエーション。
ぜひ作中で展開してみてくださいね。
どんな展開であれ、十字架にかけられたキャラが安堵の表情を浮かべるシーンには尊さがありますよね。