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16話:始めての誕生日会2

ケーキを食べ終わると、エイミーがみんなから貰ったプレゼントをその場で開け始めた。

綺麗にラッピングされた箱や手提げ袋を前に、エイミーはひとつづつ開いては貰った相手に満面の笑みでお礼を言い、そしてカードを見てはクスクスと笑う。

あっというまにテーブルはエイミーがびりびりに破いたラッピングペーパーで覆われる。豪快だ・・。日本にいた頃、お客さんから何かもらっても、母の涼子は美香流が包みをびりびり破るようには躾けてこなかった。ちゃんと綺麗に開けるようにと言われていたものだが、アメリカにはそういう習慣はないのだろうか。


嬉しそうにプレゼントを開けるエイミーが最後に手に取ったのは美香流が日本から取り寄せた某キャラクターグッズだ。以前から、エイミーは学校で、美香流が使う小物やシャーペンなどに興味を持っていたので、そういう同型のものを・・と思ったのだが喜んでくれるだろうか。

昨晩、ギャバ猫お母さんが綺麗に和紙を使って包んでくれた品物、これも他のプレゼントのようにびりびり破るかと思えば、女の子達は皆ため息をついて、その包装されたプレゼントを眺めている。

「How gorgeous! -なんて綺麗なの?」そう言いながらエイミーは気をつけてラッピングを剥がしている。どうやらお気に召したようだった。そして箱を開けた途端、悲鳴に近いエイミーの驚喜した声が響いた。

「Oh!!!」小物を一つ一つ手に取っては、嬉しそうに悲鳴を上げるエイミーを周りの女の子達も羨ましそうに見ている。

「Thank you Mikyaru~!!!有り難う、ミキャル〜」と言いながらエイミーは美香流に抱きついて来た。ここまで狂喜乱舞されると日本から取り寄せたかいがあったと言うものだ。


さて、その後、パーティールームを出るとお待ちかね?のスケートタイムだ。カウンターに行き、靴のサイズを言うと、お姉さんがスケート靴を出して来てくれる。靴を履き終えると慣れた様子で何人かの子達がスケートリンクへと滑って行く。

実のところ、美香流はスケートをするのは始めてだった。こわごわと一歩踏み出すととりあえず歩けるものの、友人達のように軽やかに滑るのとは程遠い。

エイミーが近づいてくると、簡単にストップの仕方や、滑り方を教えてくれる。後は慣れとでも言わんばかりに美香流の手を引っ張るとスケートリンクまで連れて行った。


暫くの間、皆が滑るのを見ながら壁に手をつきつつゆっくりと滑ってみる。パーティールームは貸し切りだったが、スケート場自体は普通に開いているので、他のお客さんも沢山いる。がんがんと流れるアップテンポのミュージックと最初に目についたミラーボールがやけに眩しかった。

やはり慣れないからか、30分もすると普段使っていない筋肉を使った為か、足が痛くなって来た。美香流は一足先にスケートリンクを抜け出てベンチに座っている事にした。

それからまた暫くたつと、高校生らしきお兄さんやお姉さんが出て来て皆を中央に呼び集め、歌いながらダンスをし始めた。見ている分には面白いが、同じ事をやれと言われたら少し引いてしまう。子供から大人まで乗りに乗ってダンスをするのは素敵だが、美香流はまだ恥ずかしい思いの方が先にたつ。


皆が滑り終わると靴を返して、今度は、エイミーのお母さんの運転する車と、エイミーの幼馴染みらしいジーンのお母さんの車に別れてエイミーの家まで向かうのだった。

しばらくすると美香流でも目に見て分かる様な高級住宅街へと入って行く。どの家を見てもかなり大きい。車の車庫が3〜4台はいるスペースがある。吃驚しながら見ていると車はそのうちのCul-de-sacと呼ばれるその道の終点、サークルになっている場所にある4件の家の中の一軒に入って行った。


「でかっ!」つい日本語で叫んでしまうぐらいにはその家は大きかった。何人住んでいるのかと聞きたくなるが、エイミーは確か、上にお兄さんが一人いるだけのはず。日本では滅多にお目にかかれない豪邸を前に、私はちょっとビビってしまっていた。

名前を呼ばれ、女の子達の後をついて玄関ではなく、車庫から家の中に入って行く。其処はモデルルームかと言わんばかりの広々としたキッチン、そしてリビングルームがある。映画で見る様な大きな螺旋階段が2階へと続いている。

皆と一緒に1泊の荷物を抱えて、2階へ上がって行く。エイミーの部屋も広々として、お姫様の様なベットが真ん中にどんと据えられている。皆持って来た荷物を彼女の部屋へ置くと、またリビングへと逆戻りだ。


誰かが映画を見ようと言い出して、皆がリビングの大きなテレビの周りに集まった。某有名なファンタジー物で、誰それがかっこいいだのといいながら立派な革張りのソファーに寝転んだり、座ったりして映画を見だした。はっきりいって映画の内容はほとんど分からないが、それでも始めての事だらけで美香流はすっかりと舞い上がっていた。




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