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14話:ギャバ猫、牧場へ行くその2

お待たせしました。連載再会します。まあ暫くはカメ更新になると思いますが、よろしくお付き合い願います。

お父さんと私が連れ立って歩いているとギャバ猫が後ろからゆっくりと距離をとりつつついてくるのが見えた。しめしめ、やっぱり一匹だけ残されるのは嫌なんだ。こっそり笑うと私は意気揚々と馬小屋の中へ入って行く。中へ入ると既に、サムおじさん達はすでに馬に乗っていた。私もさっそく、手伝ってもらいながら、馬に乗ってみる。とはいえ、一人じゃ怖いのでお父さんと一緒だ。乗って見ると意外に高くて吃驚する。

「それじゃ、行こうか」

手綱の動きに合わせてゆっくりと馬が歩き出した。もちろん馬に乗るのは初めての事なのでわくわくしている。今回のコースはゆっくりと牧場を横切って帰ってくる30分コースらしい。ちらっと後ろを振り向くとギャバ猫がちゃっかりと一緒に乗っていた。どうやって乗ったんだろう。牧場の中には沢山の動物も居るが、結構動物の骨なんかもゴロゴロと転がっている。

夜中に肝試しをしたらきっと怖いんだろうなと考えている間にあっという間に30分たってしまった。


ハエや小さな虫に驚いて悲鳴を上げる私と違って、牧場で育ったキャシーは木の枝で動物の周りにたかるハエを追っ払ったり、牧場の端を流れる小さな小川近くで蛇を手で生づかみしたりと、とてもたくましかった。さすがに毒蛇だと怖いが、その辺の知識はこんな幼い頃からしっかりと身につけているようだった。

帰り際に、今度はパンプキンパッチをしにおいでと言われた。

「お父さん、パンプキンパッチって何?」

「ああ、10月に入ると、牧場の中にある巨大なトウモロコシ畑を使っての巨大迷路や、ハロウィンに使うカボチャを取りに行ったりするらしい。」

「へええ〜、なんか面白そうだね。」

「ああ、また今度連れて来てあげるよ。」

「約束だよ!」

そう言って私たちは牧場を後にした。今度ここを訪れるのは10月以降になるだろう。

お父さんは、サムおじさんと、また近くの川でマス釣りに行く話をしていたが、それを聞いていたギャバ猫の耳がぴくぴくと動いていたのを私はしっかりと確認した。

絶対に密航してでもついて行くに違いない。あ、でもお父さんだったら絶対に一緒に連れて行くだろうけど・・・。

マス釣りをする為には、その州ごとのパスを買わないといけないそうだ。1日パスや、年間パスがあり、近所のスーパーやWal-Martでも手に入るらしい。今度釣りの道具を買いに行くとお父さんもほくほく顔だった。


日本に居た頃は、お父さんも仕事が忙しくて、あまり外で遊ぶといったイメージはなかったのだが、こちらに来てからは、日本のように24時間開いているコンビニがあるわけでもないし、自然以外で人口で作られた遊びがものすごく少ないように思える。

だから、みんなキャンプをしたり、釣りに行ったりと、自然で遊ぶ事が多いのだろう。


家に帰ると、私もギャバ猫もはしゃぎすぎたのか疲れてしまって、お風呂にはいるとすぐに寝てしまった。まだ、アメリカの生活は始まったばかりだ。


***


アメリカに来てから、約3ヶ月が立とうとしていた。ギャバ猫はしっかりと尻尾と耳なしで人間に変化することが出来るようになり、最近では少しずつ、私のベビーシッターと言う事でちょくちょく他の人の前にも姿を見せるようになって来た。変化していられる時間も随分と長くなってきた。

こちらでは、誰もお母さんの顔を知らないので、平然とお母さんの姿のままである。お父さんはそれが嬉しいのか毎日ほくほく顔だ。


私はというと、少し学校の生活に慣れて来た事もあり、ジェームズ君とステラおばさんのすすめで、ブラスバンド部に入部した。こちらの学校は、ある意味クラブ活動が日本よりも盛んで、クラブ内の結束は固く、私もバンドに入ってから、沢山の友達が出来た。

まだまだ、普通に会話をするには語学力が足りないのだが、なんとなく雰囲気で伝わる事もあり、なかなか充実した毎日を過ごしていた。

そんな私に初めての、誕生日会&お泊まり会の招待状が届いた。クラスと、そしてバンド内でとても仲良くしてくれている、エイミーからだった。

家に帰ると私はすぐに招待状を取り出してギャバ猫お母さんに見せた。

「どうしよう!お誕生日とお泊まり会の招待状もらっちゃったよ!」

「へえ、良かったじゃない。何時なの?」

「えっと、来週の土曜日!」

「ふうん。何もっていけばいいのかしらね?」

「う〜ん。やっぱりお誕生日プレゼントと、後、お泊まり会でエイミーが枕をもってこいって言ってたよ。」

「は?枕・・・?」

私は聞き取りに自信がないのでおずおずと答える。「「う、うん、確かピローって枕の事だよね?」

次回は美香流初めての誕生日会&お泊まり会です。

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