毒
皮膚の内側の闇
闇のなかの不安
闇のなかの怒り
闇のなかの罪悪
適度な運動と適度な食事と適度な睡眠と適度な幸福
『効果には個人差があります。』
例外には致死量にあたる“適度”な処方で撲滅されても自己責任
『効果には個人差があります。』
呑み込めなかった社会の約束が言葉にまみれて吐瀉される
不安の自家中毒
怒りの自家中毒
罪悪の自家中毒
ありもしない現実を恐れ、影のない敵を憎み、剣呑な己を恥じて懊悩する
もはや陳腐でしかない自己保存の本能がないものねだりを拗らせ地団駄を踏み金切り声をあげほしいままに暴走した果てなにもかもを破綻させてしまわないための鎮静薬さながら希死念慮は舌の裏に貼りつき久しく吐き出すことも呑み込むこともされないままいつしか癒着した
不安
怒り
罪悪
闇のなかに閉じ込めておけなくて溢れ出てしまう全て
言葉
毒