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2・人生初のママ友ができた!私たちの関係は良好だった


無事に出産は終えたものの、母として本当に大変なのはここからだった。

まずもって、体が痛い・・・。

あちこちズキズキする。


それからまとまった睡眠時間がとれない。

赤ちゃんは胃が小さいので、数時間おきに授乳の必要がある。


病院に入院していた頃はまだ良かったけど。

自宅に戻ってきて思ったのは、日常生活がままならない。

トイレ、お風呂、食事など、赤ちゃんが寝ている合間に済ませなければならない。


新米ママなので、赤ちゃんが泣けば「何かしら!?」とドキッとしちゃう。

赤ちゃんに何かあったら・・・という責任や精神的負担もかなりのものだった。




★乳児期って大変


うちの子は訳もなくぐずることもほとんどなく、比較的楽な方だったと思う。

だけどその分。

ママにくっついていたいタイプだったようで、産まれてから3ヶ月の間は抱きっぱなしだった・・・。


家事をしなければならないので、赤ちゃんをベッドに寝かせて身軽になりたい。

抱っこしているとベビーはすやすやと寝始める。

(よしよし、寝たな・・・)

と思ってそーっと、それこそ2分くらいかけてそーっと、気付かれないように赤ちゃんをベッドにおろす。




すると・・・ 目覚める!泣く!

仕方がないのでまた抱っこする→寝る。

おろすと・・・ 目覚める!泣く!


この繰り返し。


だがしかし。

この攻防戦に時間を割くわけにはいかない。

私は抱きっぱなしにする覚悟を決めた(泣)


スリングを使ったり。

首がすわっていない新生児でもOKな抱っこひもを使ったり。

ベビーを肌身離さず状態で家事をこなした。


ギリギリの体力でなんとかしのいでいた、と言えよう。

一番楽なのは「一緒に寝ちゃうこと」なんだけど、家事もあるから寝てられないよね。




★定期健診でばったり


そうこうしているうちに、赤ちゃんの定期健診がやってきた。

なんと。

そこでまた、ばったり三津屋さんに会った。


里帰りから戻ってきたようで、本当に久々の再会だった。

変わらず元気そうで良かった。


三津屋さんも私も、赤ちゃんを連れている。

三津屋さんはおんぶ紐で、わたしは抱っこ紐。

ついこの前まではお腹にいたのに、と思うとすごーく不思議な気分。


「無事に産まれたんですね、おめでとうございます!」


「ありがとうございます。峰岸さんも良かったですね、おめでとうございます!」


お互いに無事に産まれたことがわかって、心から祝福しあった。




三津屋さんのお子さんの名前を聞いてみると、「もあ」ですと教えてくれた。

(今ドキの可愛くて珍しいお名前だ、すごいカワイイ響きだな~。)


どんな字ですか?と聞くと、丁寧に漢字も教えてくれた。

「桃亜」ちゃん、と書くらしい。


三津屋家のもあちゃんは、予定通り女の子で、ぷくぷくしてかわいかった。

うちよりも四カ月はやく産まれてるだけあって、体つきもしっかりしてて、ずーんと大きい。

三津屋さんにおんぶ紐でガッシリおんぶされているが、さっきから手足がバタバタしている。


「峰岸さん、お子さんのお名前は?」


「うちは『ひらり』で、ひらがなです。うちも女の子でした!」


お互いに女の子だった、という情報に三津屋さんもテンションが上がったのか、すごい偶然!!と言いながら両手ハイタッチが飛び出した(笑)


うちが検診に呼ばれるまで三津屋さんは一緒にいてくれて、約束通り子ども同士を対面させたり、近況報告したり、育児の情報交換をしたりと、楽しいおしゃべりタイムだった。


子どもが乳児のうちは外出もままならないので、誰かに会っておしゃべりするのが久しぶりで新鮮だった。


おそらく三津屋さんも同じだったんじゃないかな。

乳児のうちは子どもにかかりっきりで、誰かとおしゃべりする時間ってあんまりないものね。


そうそう、接種しなければならないワクチンが色々あって、スケジュール立てるのが大変だよと教えてくれた!

しかも子どもの体調が悪いと注射できないから、体調管理も必要でさ・・・、と三津屋さんがちょっとうなだれた。


どうやら桃亜ちゃんが風邪気味で注射を見送り、その影響でスケジュールが狂ったのだそうだ。


「そ、そんなに大変なんですね・・・気を付けますっ!」


乳児を連れての外出も大変だし、外出するための準備も大変だし、小さいうちの予防接種はなかなかのイベントなのかもしれない。


無事にのりきれるよう、頑張らねば!


ひらりが検診に呼ばれると、「もう少し大きくなったら一緒に遊ぼうね」と約束して、三津屋さんは一足先に病院を出て行った。




★ママ友付き合い始まる


しばらくすると、我が家のひらりも首がすわり、寝返りをし、お座り、ハイハイ、と活動的になってきた。

今までのように抱っこし続けることはなくなったものの、今度は危なくて目が離せない。

手に持ったものは口にいれてみる、気持ちの赴くまま寝返りで移動する、など、赤ちゃんの習性はやっかいだ。


2階で一緒に寝ていたはずなのに、朝おきたらひらりが階段の踊り場にいた・・・!

そんなこともあったっけ。


うつぶせになって這いながら、足だけ先に下の段におろす。

それからヒザをつき、お尻からゆっくり降りるという技を習得したようだ。

昨日まで階段下りれなかったのに、びっくりだね!




天気が良い時期だったので、子どもを連れての散歩も増えた。

これだけ活動的だと、ひらりもずっと家にいるのはつまらないよね。

そうすると。

さすがお隣というべきか、同じようにお散歩している三津屋さんにちょこちょこ会うようになった。


はじめは天気とか、最近の子どもの様子とか、離乳食の情報とか、たわいもない話が多かった。

話し込んでいると子ども達がくずりだすので、程なくバイバイになるのがお決まりのパターン。




少し変化があったのは、子どもがもう少し大きくなった頃だった。

桃亜ちゃんが外で歩き始めた頃だったか。


ファーストシューズを履いて、三津屋家の前をヨタヨタと歩く桃亜ちゃんを見かけた。


「桃亜ちゃん、すごい!上手だね~!」


桃亜ちゃんママ(三津屋さん)も嬉しそうだった。

私も、成長のすばらしさを目の当たりにして感動してしまった。


ひらりはまだハイハイで、散歩帰りの今はおんぶされたまま寝ていた。


「歩けるようになったのは少し前だったんだけど、不安定で危なかったから外には出てなかったの。今日はじめて靴で歩いてるんだよ。」


三津屋さんはわが子から目を離さず、付かず離れずの距離をキープしながらそう言った。


「桃亜ちゃんの初シューズの日にご一緒できて光栄です!」


私たちは微笑みあった。


うちのひらりも歩くようになるんだろうな・・・とわくわくして、色々聞いてみた。


つかまり立ちするようになるよ、家具の角は当たっても痛くないようにガードをつけたよ、頭が重くて倒れやすいからマットをひいた方が良いよ、など聞いて良かった情報が満載だった。


ただ、どんなファーストシューズが良いかの話になったとき、三津屋さんの顔が曇った。


今までなら、子どもの都合で早めに解散だったので、こんなに長くおしゃべりをする事はなかった。

なので時間があった今日、少し込み入った話を聞くことになってしまった。




★色々あるらしい


桃亜ちゃんのファーストシューズは、お義母さん(桃亜ちゃんの父方の祖母)が買ってくれたそうだ。

今まで知らなかったけど、この住宅地の近くに住んでいるらしい。

パパさんの実家がご近所だったんですね。


三津屋さんは色々調べてて、これからの成長に良いファーストシューズを希望してたんだけど、お義母さんは別のを買ってきたそうだ。


「たいして履かないんだからこれで十分、それより服があったほうがいい」と靴と服を渡されて、三津屋さんは困惑したようだ。


買ってくれるのはありがたいんだけど、はじめて履くものだからちゃんとしたものが良かった。

服も全く趣味じゃないから、いつどこに着せていけばいいのかわからない、とも言っていた。


まじまじと靴を確認してみると、確かに全体が布地で薄手の靴だった。

三津屋さんの言う「ちゃんとしたファーストシューズ」は、切り替えやカットがしっかりした大人でいう運動靴のような見た目らしい。


特に、靴裏の作りが甘いから危ないと心配していた。

歩くのが上手じゃないからこそ、安全で歩きやすいものを履かせたかったそうだ。




他にもお義母さんには色々と思うところがあったようで、三津屋さんはポロポロとお義母さん情報を露呈していた。

のんきな私は(嫁姑って色々あるのね~)と、ふんふん聞いていた。


桃亜ちゃんが退屈しだしたので解散になった。

この時の私は、三津屋さんも色々あるんだなと、とても軽い気持ちでいた。



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