プロローグ
「ま、まて!? 逃がすなやつを取り押さえろ!」
「・・・・・・紋章開放、クロノグラフ」
キュイーン
キーンコーンカーンコーン
「はぁ、今日も一日俺お疲れー」
俺の名前は赤原紅蓮。16歳、身長175㎝のごく普通の高校生。
「まーた始まった、紅蓮の独り言」
「うるせーぞ、大智」
こいつは、立花大智。小学生からの仲で1番の親友だ。
「大智、一緒に帰ろうぜ!」
俺はいつものように、大智と帰ろうとした。
鞄を持ち帰る準備をした。
「ごめん! 俺今日違う人と帰る約束してるんだ」
大智は照れ臭そうに言った。
俺は、察してしまった。
「わ、分かった、楽しんでな」
俺は急いで教室を出た。
(あ、あの大智に彼女が・・・・・・)
俺はぼーっとしながら歩いていた。
そのとき・・・・・・
俺は謎の光の渦に飲み込まれた。
「な、なんだ!?」
目をゆっくりと開けた。
「だ、だ、だ、だ、誰!?」
俺の目の前に大怪我をした、天使のコスプレをした同い年くらいの金髪美少女がいた。
「た、助けて・・・・・・」
少女は動くのも辛そうな中、俺の手を握ってきた。
「は、はい、今救急車を」
「だ、ダメ、少し待って・・・・・・」
少女はポケットから薬の入った瓶を出し、薬を飲みだした。
すると、見る見るうちに傷口が塞がり怪我が治った。
「き、傷が!?」
「私、名前はソフィア、天界から舞い降りた天使」
彼女は片言の言葉でそう言った。
「て、天使? そういう設定?」
「せってい? 私、魔界から追われてる。紋章を継承しにきた、君選ばれた」
彼女の表情、言葉から嘘とは思えなかった。
(現実に天使? そんなのいるわけ・・・・・・)
俺は半信半疑でいた。
「選ばれったって何のことだ?」
「君は私の紋章クロノグラフの継承者なんだ」
少女は俺に右手の甲を見せてきた。
「け、継承者? 俺が?」
俺は昔からこういうアニメみたいな展開にあこがれていた。
そのとき・・・・・・
「ダークホライズン」
「な、なんだ!?」
辺り一面が真っ暗になった。
「君、魔界の住人だ! 早く継承を!」
「は、はい!」
彼女は、俺の右手を握り呪文みたいなこと唱え始めた。
「我の右手の紋章よ、彼に継承せよ」
彼女の右手の紋章と俺の右手の甲が光り輝きだした。
彼女の紋章が消えて、俺の手に紋章が現れた。
「君、紋章開放クロノグラフって叫ぶんだ!」
「も、紋章開放クロノグラフ!」
紋章が光りだすのと同時に、地面に魔法陣が現れた。
キュイーン
そのとき、辺りが急に明るくなった。
「あ、明るくなった!?」
「クロノグラフの効果だよ。クロノグラフは黒魔法の無効果、そして時を一瞬止める事ができる。時を止める時間は使用者の力次第で変わるんだ」
魔界の住人はフリーズしていた。
「す、凄い、私の止める時間をはるかに超えている」
俺は敵に近付いて行き、本気で腹を殴った。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
魔界の住人は、空高く飛んで行った。
俺は倒した瞬間、力が抜け地面に座り込んでしまった。
「君、凄いよこんな力があるなんて!」
彼女は俺の手を握り目をキラキラさせていた。
「君の力があれば、クロノグラフを守れるかもしれない・・・・・・」