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現実より

作者: 八藤 烏兎

これはとある事務員の脳内実況と本人による独り言の記録である

ーとある夏の日曜ー

起床。枕元のタブレットで現在時刻を確認する。が、指紋認証が上手くいかず結局パスワードを入力する羽目になる。

「まだ4時か…」

数少ない休日にもかかわらず無駄に早起きしてしまったと後悔しつつ再び眠りにつく。ただただ気持ちの良い二度寝の波に身を委ねる。

(平日も安定の二度寝ですけどね…)

微睡みの中自分にツッコミを入れつつ毛布の中で丸くなる。普段働く自分にとってこの時間は数少ない有意義なひとときである。誰にも邪魔されない、自分独りの、ひととき……。

10時になっていた。止まっていた扇風機を起動させスマホを弄る。SNSをチェック、友人(数少ない)からの通知もなくゲームのログインに移る。一通り終えるとスマホを放り投げぼーっとする。それは昼時まで続くのだった…。

ーその日の夕方ー

昼食を終えても尚ぼーっとし続け数時間、録り溜めしていたアニメを見てふと思う。

(あ、そういえば仕事じゃないの明日…)

アニメを見てやる気をフル充填させていたのが半減したのが分かった。

(寝て起きたら女になってたり異世界に飛ばされてたりしないかね全く)

最近よくあるアニメ展開が現実に反映されないものかと思考しつつ休日を終えるのだった。

ー月曜日ー

(ですよね…)

騒がしいアラームを止め、起き上がると予想通り現実だったので諦めて出勤の準備をする。

(店着いたら潰れてねーかな、物理的に」

思っていたことが声で漏れてはいたが問題は無い。よくある事だ(良くない)。そんなこんなで出勤するのだった。

因みに駐車場に着いた時、3割程本気で願っていたことが叶っていなかった。無理やりスイッチを切り替え、お仕事モードにした。

(帰りたいでござる…)

切り替わってなかった。


ー定時ー

(嘘つけよお前定時どころか30分も残業したぞこれ)

どうやら本人はお怒りらしい(他人事)。世間的には大したことないのかもしれないが自分からしたら大惨事、

「残業が普通とか定時決める意味あるの?だったら働かねえ!」

だそうだ。あ、我に返って落ち着いたようだ。嫌々働くってさ。

帰り道、運転しながら考える。

(なんで帰りの方が出勤時より元気なんだろ…)

帰りだからだ。仕事場じゃなくて家に向かうからね。簡単だった。

ー家ー

幼馴染(女)が出迎えて一緒にご飯を食べる……ことは一切なく、母親が作り置きしてくれた料理を温め直してアニメを見ながら独りで食べる。

(幼馴染男だし…)

悲痛な感想はともかくこれが日常なのだった。家庭環境やら人間関係やらその辺は面倒なのでスルーするが本人は

「慣れだよ慣れ」

だそうだ。職場で上司に質問した際参考にもならないような返しをされたので真似してみた。オフレコで頼むよ。上の人怖いから。


そんな毎日が続いている。嫌で嫌で仕方がないのに変えられないのは自分が動かないから。当たり前のことである。元ニートの重い腰は伊達ではない。

(小学校くらいに戻ってやりなおしたいわこれ、記憶このままで)

またくだらない妄想を膨らませながら一日が終わろうとしている。前回より2割増くらい強く願いつつ眠りにつくのだった。

ー数分後ー

眠りに付けないと悟ったらしく実況動画をBGMにしつつ、目を閉じる。

(今日よりはマシな日になればええわ)

謎の関西弁が癪に障るがそのまま寝落ちしたようだ。



to be continued………

特に深い意味は無いんですけど思ってそうなことってあるよねって話でした。

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