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一般的な特殊人

作者: 安来袂

周りの人間を見ると目が眩みそうになる。自分と同じ構造の体を持っているはずなのに、何かが圧倒的に違う。どうしてそんなに笑うことができるの?どうしてそんなに群れを作るのが上手いの?そして、どうして私にはそれができないの?


一人が嫌なわけじゃない。そんなのとっくに慣れた。ただ、自分だけがそれをできないのがとても苦しい。自分だけが外国に来たような気分。相手と話すための言葉を覚えたくても、それを教えてくれる人がいない。


誰とも話ができないわけじゃない。家族とは仲がいい方だと思うし、古くからの友人とは気さくに冗談を言える。ただ、得体の知れない相手を前にすると、足がすくむ、喉が震える。相手が聖人なのかレイシストなのか分からないから、思ったことを口に出さないでおく。やっとの思いで口を開くと、周りの時間が止まる。なぜ私が声をあげた時だけ、君たちは生返事をするんだ。


周りを気にしないで生きていきていくなんて不可能だ。生きるためには他人と関わらないといけないし、他人の顔色を伺わなければいけない。人と同じであること、同じになれることが生きるのに一番必要な能力なんだろう。それをできる人を「一般人」、できない人を「特殊人」と呼べるかも知れない。「特殊人」と言っても、何かを成し遂げることもできない私みたいなのは「一般的な特殊人」レベルなんだろうな。周りの人間に合わせることも、異常者になり切ることもできない、そんな「一般的な特殊人」はどうやって生きていけばいいんだろう。


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