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約束の花嫁  作者: ミニマリスト憂希
6/9

再会

それから10年後


新聞に〇〇賞受賞

パシャパシャ

カメラのフラッシュが1人の男を照していた

男はオールバックの様な黒髪にあご髭

すこしダンディーな感じの男前

少し照れながらも取材を受けていた

そうこの男性は宮下 隆

成功し、売れる画家になっていたのだ


1人の記者が尋ねる

「宮下さん!受賞のお気持ちは?」

「とても嬉しいです!

学生の頃からずっと絵を描いてきました

大人になって全く売れなくて

挫折しそうにもなりましたが

続けてきて本当に良かったです」


「今後の活動予定は?」

「絵を描き続けたいです」


「ご結婚の予定などはありますか?」

しばらく黙る隆

「あ、相手が居ないですね笑」

少し笑う記者達

「宮下さんの様なご活躍される方なら

皆んなほっておきませんよ」

頭を描きながら少し照れる隆

取材を終えて

次はファンへのサイン会

ファンが一列に並び隆のサインをもらい握手をした

ファンには老若男女問わず様々な人達が居たがマナーもよく静かにしていた

「サイン下さい」

「はい ありがとうございます」

「握手お願います」

「はい ありがとうございます」

数をこなす隆

しかし照れるでコミュ症の隆はちゃんとファンの顔を見なかった

「隆兄ちゃん サイン下さい」

若い女性の声

「はい ありがとう」

「握手もして下さい」

色白の綺麗な手だ

「はい ありがとう」

サインと握手を終えてもしばらく動かない女性

変だと思いちゃんと女性の顔を見る隆

すると女性はプクッと顔をフグの様に膨らませ隆をジッと見ていた

「すみません 次の人がいますので」

警備員がそういいその女性を離れさせた

「変わった人もいるな なんで顔を膨らませてたんだ?」

サイン会を終えて

控え室のソファーに座りため息を吐く

少し疲れた様子だ


隆は両親から

「結婚はまだか」

と急かされていた

隆ももう30代後半

仕事は順調だったが

女っ気はゼロ

顔は悪くないのだが

コミュ症の彼には恋愛は難しい


しかし隆は絵を描く事が楽しいので

恋愛出来なくても、生涯独身でも構わないと思っていた

性欲が迫っても

今はお金があるからそういう店に行けばいいし

コミュ症でもお金を払えば女の人が奉仕してくれるから

「別にいいや」と思っていた

ちなみに隆の初体験はお店だ


取材を終えて薄暗くなった頃

隆が会場を出て自宅へ歩いて帰っている時

背後に気配を感じた

ずっと誰かが

チラッと見ると色白の女がずっと後を

付けている

なんだか怖くなった隆は走ったが

絵ばかりを描いていた彼は

足は遅く 体力も無かった

「ゼェーッ ゼェーッ!」

息切れをして座り込む隆

後ろにはまだあの女がいた

「俺が何かしたのか!?」

怖くて仕方ない隆

よく見るとサイン会の時

顔をプクッと膨らましていた

フグ女だ!

フグ女は近づいてきた

怯える隆

「あ、あの!」

「はい!助けて下さい!」

「えっ!?助けて!?あの、宮下 隆さんですよね?」

「そ、そうです!」

「私 夏帆です!覚えていませんか?」

「えっ!?夏帆!?あ!あ〜!」

大声で叫ぶ隆

「あの時は本当にありがとうございました。」

あの時に助けた少女の夏帆はすっかり

綺麗な大人の女性になっていたのだった

10年振りに再会した2人


「あの、少しお話、しませんか?」


歩きながら

「最近の活躍よく拝見してます」

「う、うん…ありがとう」

他愛もない話をしながら歩く

隆はあの少女の夏帆がこんなべっぴんさんになっていて正直びっくりした

まさに自分好みの女性だったからだ

緊張しながら歩く隆

その様子に気付き

クスッと笑いながら歩く夏帆


隆の家に着くと夏帆は驚いた

「凄い!大きな家ですね!」

あの時の古い団地とは変わり

綺麗な大きな一軒家に住んでいた隆

「どうぞ 上がって お茶でも出すよ」

「はい ではお邪魔します」

ドアの前で止まる夏帆

「ん?どした?」

ドアをノックする夏帆

コンコンッ

「ではお邪魔します」

「何してるの?笑」

夏帆は昔の様にドアをノックしたが

隆はすっかり忘れていた様で

少しムッとする夏帆だった

お茶を淹れる隆

「はい どうぞ」

「ありがとうございます」

お茶を飲み 懐かしむ夏帆

「美味しいです」

ニコッと笑う夏帆

「そう」

「あの時に描いてもらった絵

覚えてますか?」

「あの時の絵?」

「もういいです」

忘れてしまった隆に怒る夏帆だった

「忘れるなんて あり得ないです」

「えっ?」

「もう帰りますね ご馳走様でした」

「うん 気をつけてな」

夏帆が帰った後に

机の上にメモが残っていた

メモには電話番号が書かれていた


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