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約束の花嫁  作者: ミニマリスト憂希
4/9

事件

次の日

いつもかほが来る時間になり

隆は徹夜して完成したプレゼントの絵を渡す準備をしていた

喜ぶかほの顔を思い浮かびながら

待つ隆

しかしドアをノックする音が聞こえない…

徹夜して描いた絵を早く渡したかった隆は

そわそわしていた

氷の入ったお茶は氷が溶けてなくなり

いつも見ている時代劇の放送も終わった

そしてこの日 かほは訪れなかった


その頃

かほは自分の部屋に居た

しかしなんだか様子が変だ

真夏だというのに

エアコンも扇風機もない部屋の隅っこにいた

汗はたくさんかき、息もやや荒い

横の部屋では

父親が冷房の効いた部屋で

缶ビールを飲みながらテレビゲームもしていた

「ぷはぁ」




かほは隆の部屋に行こうと支度していた

父親は横の部屋でテレビゲームをしていた

「なんや コイツ!チートちゃんけ!くそ!」

かほはいつもの時間に隆の部屋に行こうしたしかしゲーム機の配線に足が引っかかり転んでしまった

ゲーム機の線が抜けて

テレビ画面が消えてしまったのだ

それに対して父親は酷く激怒し

かほに強くビンタした

「お前のせいで、せっかく勝ちそうだったのにどうしてくれるんだ!」

そして倒れたかほの背中に何度も足蹴りをくらわせた

「ごめんなさい、ごめんなさい…」

かほは身を丸めてひたすら耐えた

だが父親はかほを別の部屋に押し込み、鍵を閉めて閉じ込めたのだ!

「また邪魔されるのはゴメンだ!そこで大人しくしちょれ」

「ごめんなさい ごめんなさい 出して 出して」

夏帆は父親に謝るが父親は無視した

その後 かほは扇風機も冷房も無い部屋で一人

父親は隣の涼しい快適な部屋で缶ビールを飲みながら

ゲームを続けたのだった

かほは暑い部屋の中で長時間閉じ込められた

夕方になり

「ただいま〜」

母親がパートから帰ってきた

「あれ?夏帆は?」

「ん?ああ 隣の部屋でおとなしくしてるよ」

ゲームに夢中になる父親は適当に返事した

「そう」

母親は家事をして娘の事は気にしなかった

しばらくして

かほの居る部屋の鍵を開ける母親

「なんで鍵かけてるのよ」

ドアを開けるとかほが倒れていた

「寝てるのかほ?」

しかし様子が変だと気付く母親

「かほ!?かほ!?」

「なんだよ どうしたんだ?」

父親も娘の異変に気付く

母親は娘を強く揺さぶり名前を呼ぶが返事がない

すぐに救急車を呼ぼうと電話を手にする

「おい何してる!?」

「なにって救急車を呼ぶに決まってるじゃない!」

「そんな事してみろ!俺たちが疑われるぞ!」

「でもかほが…」

「冷房の効いた部屋に居させて

水飲ませりゃ治るさ」

「うっ うん」

娘の足を持ち引きずる父親

涼しい部屋に入れ床に娘を寝かせた

娘に水を飲ませる母親

しかしその後両親は娘を放置した

その数十分後 かほは目を覚ました

かほはムクッと起きると

「あっ!気がついたかほ?」

かほは目を覚ましたが父親は心配する様子はなくゲームをしていた

母親もスマホゲームをしていて

目を覚ましたかほを確認してもそこ一言だけ

何事もなかったかの様に過ごす両親だった


両親はお互いも、娘も、愛してなかったのだ

若い頃にできちゃった婚の二人

体は大人でも

精神的にも心も子供のままの二人

子供が子供を育てるのは

難しかったのだ


かほは父親と母親を見て

部屋を抜け出した

それでも2人は娘に興味なかった

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