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幼馴染は聖女らしい。  作者: PARO
最終章 そして俺は神になる、らしい。
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65話 三大国連合会議、らしい。

お話。閑話じゃないよ。

「…と言うのが、聖王国側の報告だ。いやはや、初代様は違うねぇ、皇帝さん?」


場所は、三国の境界、大陸会館。

三大国のトップが一堂に会し、今回の一件について対策を話し合う場が設けられた。

各国の王と魔女、計6人での会談である。


「そうですね。『天帝』の名は伊達ではない」

「『天帝』か。昔は随分と暴れていたからなぁ」

「私は見たことがありませんが。アカネは」

「あれは凄かったですねぇ。私たちも安心して、息子を任せられました」


カーロンと彼らは面識があったため、クラムを無事に隠すことが出来たのだ。隠す理由となった魔性の女性はもうこの世にはいない。ヨミには気の毒だが、アカネともうまく行っているらしく、とっくに立ち直っている。


「…それで、王国側はどうなのかな、新王よ」

「はい。先王も私もこの様な事態に完全には対応しきれず、幸い人命だけは守れましたが被害は甚大です」


先の件の責任を取ると言う名目で、グラムス王国の王はユーサーからアーサーへと変わっていた。未成年での即位に加え始めての会談だが、彼に緊張の色は一切ない。余程練習してきたのだろう。


「王国だけだからな、深くまで攻め込まれたのは。それにしても、帝国の『無法者』は随分強いと見える」

「アレについては、養子からしか情報がありませんが。どうやら彼の前では、全ての魔法が消え失せるとか」

「おっかないものだ。私など若作りが剥がれて、老けてしまうではないか」


エルフレアが苦笑する。『ボス』の名はすでに、三国中に知れ渡っていたのだ。


「王国としても聖王国としても、彼に攻め込まれてはどうしようもありますまい。…ある意味、龍より危険な存在ですな」

「養子が手綱を握っていますので大丈夫かと。征服欲の様なものはなさそうですし」

「あの傭兵団には色々と世話になっているからな。叩くわけにもいかない。難儀なものだ」


『ソルジャーズ』は傭兵団だが、ほかの団と違い少数精鋭主義、そして何よりも隠密任務を完璧にこなせると言うことで、各勢力があまり足をつけたくない仕事が、彼らには沢山舞い込んでくるのだ。おかげで大繁盛らしい。各国へ支部をおいているのもそれが原因だ。敵勢力からは『大国の狗』と呼ばれているが、全くその通りだなと、クラムと話していたヘイロウは苦笑していた。


「あそこは便利だな。法外な値段は要求せず、しかして以来は完璧にこなす。予期せぬ事態へのリカバリーも万全。ウチの特務部隊の奴を一人研修に向かわせたが、かなり良い成果を持って帰ってきた」

「聖王国のといいますか、我が帝国の皇子ですが」

「形式上でも私の部下なのだから、帝国に楯突かない限りはこき使って構わんだろう、アカネ?」

「えぇ。クラムにはもっと、色々な経験をしてほしいですから」


果たしてここに、王はいるのか。とアーサーは苦心した。しかしここにきた限り、自分も何か仕事をしなくてはならないだろう。


「…話が逸れました。我ら三国に襲来した龍ですが、マーリンの予知によると、どうもこれで終わるわけではない様なのです。そこで、このかつて無い危機に立ち向かうべく、三国の強固な結束をお願いしたい」

「結束というよりも、作戦ですな。まず何処から龍たちがやってきたのか、ですが」


ようやく聖王が口を開いた。新米が頑張っている以上、エルフレアに任せっきりではいけないと思ったためだ。


「皇子様が調べてきてくれたぞ。大体こんな感じだ」


そうやって円卓中央に地図、否、写真が置かれる。


「ここから北に数マイル。間近まで近づかないと分かりはしないが、目を疑うほどの大穴が開いている」

「…これは」

「まさに、奈落の底ですね」

「あぁ。数か月前には完全な川だったのだがな。完全に地盤が抜け落ちている。水源は迂回して確保されているらしいから、そこは問題ないんだが」


そこには、地面に大きく開いた、深淵があった。


「とりあえずこの場所を、『深淵の大穴』と名付ける。ネーミングセンスは気にしないでくれ。帝国はここに調査拠点を置き、2週間前から動向を伺っている。…と言っても、実質の運営は例の傭兵団だが」

「まさに『何でも屋』ですね」

「帝国にきた龍は彼らが狩猟した様だ。ちょうど研究拠点が欲しいと言っていたから、ちょうど良かったのだ」

「狩猟、ですか」

「あぁ、少なくとも彼女は、そう言っていた」


随分と剛毅な性格だと、一同は感心した。それはさておき、


「王国から、龍の伝説に詳しいものを派遣します」

「私もしばらく、そこに引っ越しましょうかねぇ」

「『特務部隊としては』クラムを派遣しようか」


もはや反論はない。皇帝も疲れたのだ。


「それが好ましいな。ヨミ殿もやり手と聞くから、帝国の戦力には問題はないだろう」

「模擬戦で、危うく殺されかけましたからねぇ」

「お前をか、一人で。私とマーリンでようやく互角だと言うのに」

「若きは力ですねぇ」

「くっ、なるほど。肉体年齢だけではダメか」

「どうしようもありませんねぇ」

「…だな。お前が言うのならそうなのだろう」


アカネはただ、久しぶりにヘイロウに会いたいだけなのだが、エルフレアと皇帝であるヴァンハイム、そしてマーリンは気づいていながらスルーした。


「さて、ではまず、そう言った方針で行こうか。そうだ、王国の復旧にも力を貸そうか?」

「いえ。この程度の些事、自分たちの力で乗り越えなければ」

「勇ましいな。まぁいい」

「では、今日はわざわざご足労頂き」

「あぁ、そう言うのはいい。時間の無駄だ。現在専ら調査中のクラムを捕まえて、情報を聞き出さねば」

「…ほどほどでお願いします」

「あぁ、わかってるがな。過労死しても蘇るのだ。酷使する甲斐があるものだよ」

「…」

「さて、そう言うわけだ、失礼するよ」


足早にエルフレアがそこから脱出する。他の面々もそれに続き、大体二時間ほどで、会議は終了した。


主はモンハンのやり過ぎの様ですね。でも、某RPG時代から地面に開いた大穴っていう設定はあったから(言い訳)

次回もよろしくお願いします。そしてやっぱり学校に行けないクラム君、どんまい。

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