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幼馴染は聖女らしい。  作者: PARO
2章(後編) どうやら俺も俗物らしい。
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54話 まさに汚れ仕事だ。

主人公(冷血漢?)回

宜しくです

「皇子はこういうのは嫌いか?」

「いえ、別に」

「そうか。…状況は先程説明した通りだ。多少暴れても構わん、そこにいる勢力を排除してくれ」

「了解致しました」


初任務…と言うわけではない。そんな物は数週間前に終わった。とっくに居は王城から、ソルジャーズの本部へと移っている。…この団の名前は『名前などどうでもいい』と言うボスの『兵士たちの集まりだからソルジャーズでいいな』と言う言葉によって決定したそうだが、ネーミングセンスはさておき帝国近辺ではかなり有名になっているようだ。

長期休暇はなんと数ヶ月ほど。内戦の激化に伴うものらしい。クラムはその間、こうやって戦場にお邪魔しているわけだ。帰れと言った親父を跳ね除けて。


「目標地点に到達しました」

「よし、後は煮るなり焼くなり好きにしろ」

「わかりました」


今回の任務は暗殺…とは言い難いものだ。どちらかと言うと敵対勢力の排除と言う物である。


戦場で出会う敵を減らすのも、仲間の生存率を上げる方法の一つだ。敵が1人でも少なければ、こちらの被害も軽減される。

だからと言って無抵抗の人間を殺すのか、と良識のある人ならば問い掛けるかもしれんが、戦場に情けを持ち込む奴は大抵死ぬ。死んでは元も子もない。

仲間か他人かどちらを助けるべきかと言う問いには、間違いなく仲間だと言えるだろう。…尤もクラムはほとんどこう言った任務しか請け負わないため、団の仲間とは酒を飲むくらいのことしかしていないのだが。


右手を向ける。対象はとある酒場。敵対勢力の根城である。


「…看板娘、か」


何故か、ふと思いついたことを後悔しながら、俺は空中から魔法を放ち、騒音を爆風で搔き消した。


「任務完了。非戦闘員への被害も出ましたが」

「仕方がない。俺たちは国民にウケたい訳ではないのだ。仲間を守れて、クライアントがいればそれで良い」

「…そうですか」


酒場があった場所は、そんなものなかったと言わんばかりに、そこにあったもの全てが消滅していた。

舞い上がった気流に乗せられ、上空からエプロンの切れ端のようなものが落ちてきた事を、クラムは目に焼き付けた…。



「ただいま戻りました」

「ご苦労。飯は食うか」

「えぇ。頂きます」


具合が悪くなるようなこともなく、一人で夕食を摂るクラム。今日は酒場に人が集まる夜を狙ったため、夕食が遅くなっていたのだ。


その後は入浴を済ませ、魔力回路の点検を行う。村の学校時代から続けている習慣だ。


特に悔やむことはない。これは任務だ。私情を、感情を持ち込むべきものではない。たとえ任務ならば、愛くるしい少女すら、その心臓を撃ち抜かなければならないのだ。


それが納得できてしまう自分を悲しく思いながら、クラムはポケットに入れてあった例の切れ端を握りしめて燃やし、


「済まない、名も知らぬ少女よ。君の犠牲は、無駄にはしない」


せめてもの誓いを立てて、弔いとした。



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