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幼馴染は聖女らしい。  作者: PARO
2章(後編) どうやら俺も俗物らしい。
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53話 兄貴分と出会う。

第2章後編突入。主人公が戦場に出ます。


???・??「クラム、いっきまーす!」

作者「著作権侵害やめて!」


では、どうぞ!あ、長文注意!

「帰れ、遊び半分で来られては士気が下がる」

「遊び半分ではありません、どうかお願いします」


長期の休暇に入ったため、何かしようと迷い、『戦場を見てみたい』と思ってバールの所に行ったはいいが、バールの傭兵団のサブリーダーから門前払いを喰らった。常識的に考えてそうなので、仕方のない事である。


「いや、案外効果的かも知れん」

「…ボス?如何してだ」


そう言ったボスという男は、在ろう事か銃で俺の頭を撃ち抜いた。


頭が吹き飛ばされるが、傷が燃え始めすぐに再生する。それをみてボスは、


「ほら見ろ、こいつは死なない。例え戦場で役に立たずとも、盾にはなるだろう。こいつはお前の言っていた皇子だろう?自国の王族が戦場に立てば、こちらの士気は間違いなく上がる」

「…しかし」

「王族嫌いは相変わらずか。茜御前への対応策とか言って、部下に変なものを持たせているだろう。…支配者は絶対的な悪ではないと、何度も言った筈だ。いい加減頭を冷やせ」

「…くっ、ボスがそう言うのなら、仕方ない」


どうやらケリがついたようだ。俺はボスという人物に感謝…?する事にした。


「有難うございます、と言うべきでしょうか」

「あぁ、お前は感謝するべきだ、皇子。悪いが礼儀など整える気はなくてな、皇子と呼ぶだけで我慢してくれ」

「いえ、公表もされていないのに威張ったりはできませんよ」


全くその通りだ。何様だこいつと言われるだけである。公表されても威張る気は無いが。


「明日にでも公表されるそうだぞ。なぁヘイロウ」

「…あぁ、そうらしいな」

「皆さん。甘い心構えだとは思いますが、どうかひと時の間共に戦わせてください」


そう言って頭を下げる。


「頭を上げろ。するのは握手であり、懇願ではない」

「その目。…その目だ。俺の両親を悪しきと断じ、俺に罪はないと放逐した、王族の目」


ボスの方は快諾してくれたようだが、サブリーダーの方はそうはいかなかったようだ。


「恨みがあるのなら、この身体でお晴らしください。…生憎と女性ではありませんので、そこはご了承願います」


では彼は、女性ならば純潔を捧げていたのだろうか?…答えは不明である。


「…そして、俺を守って死んだ奴の目だ。尤も、そいつはまだ生きているが」

「…母上のことでしょうか」

「あぁ、あの女狐だ。奪うだけなら憎めたものを、救ってくれやがったせいで恨むこともできない」


ヘイロウのその目には、愛憎が浮かんでいた。


「母親代わりだった。幼くして両親を亡くした俺にとって、あいつは唯一の親だった。…そして、仇だった」

「…何が、あったのですか」

「お前は聖王国にいたから知らないか。20年も前、皇帝を弑逆し、それを聖王国側の仕業として戦争を起こそうとした一派がいた。そのリーダーが俺の親父。サブリーダーが俺のお袋だった」

「…立ち話は何だ。お前ら、応接室に行ってこい」


ボスの言葉により、場所を移す事になった。


「親父たちの工作は失敗し、親父とお袋、その他のメンバーは捕らえられた。それをやったのがその時の第一皇子、つまりお前の父親と、茜御前、お前の母親だ」

「…そんなことが」

「家族もろとも始末しようとした皇帝を、2人は全力で止めた。その結果、俺と数人ーー少し前にバールが始末した奴らが残った」

「バールが?」

「あぁ、認めるのは癪だが奴は優秀だ。何より殺人に躊躇しないその精神が」

「…そうですか」

「お前は人を殺したことがあるか?」

「有ります。村を襲った盗賊団を数十人、炎魔法で焼き殺しました。あの悲鳴は、今でも覚えています」

「…そうか。お前の影響もあったのかもしれんな」

「それで、残った貴方は」

「お前の両親に育てられた。婚約者同士が子供を連れていると、当時は話題になったものだ」

「だから、恨めなかったと」

「あぁ。一時期はお父様、お母様とすら呼んでいた。まだ幼かった俺は、目の前の奴らが仇である事に気がつかなかったんだ」

「いつ、気付いたのですか」

「成人したくらいだ。生き残った俺の同胞が、復讐にと俺の義理の両親を襲ったんだ。奴らは仇の子供になどなりたくないと、孤児院に入ったのちそこを抜け、雲隠れしていたんだ。…俺は奴らと戦った。恩返しのつもりだった。だが奴らの声で、俺は静止した。『俺たちの仇をなぜ助ける!』とな。赤の他人も混ざっていたのだろう。俺を攻撃した奴がいた。その攻撃から俺を庇って死んだのが、茜御前だった」

「…死んだ?」

「即死だった。心臓を撃ち抜かれてな。絶叫した俺は、怒りのままに奴等を殺そうとした。…それを止めたのも、茜御前だ」

「母上…」

「『貴方の仲間でしょう?殺すのはおやめなさい、私のように蘇ったりはしないのだから』と、奴は言った。化け物めと叫ぶ俺の同胞は、お前の父親によって斬り伏せられた。殺されはしなかったが、独房に長い間ぶち込まれたそうだ」

「なるほど。それでなぜ、貴方は両親の元を」

「そうこうしているうちに、奴の腹が膨れた。勿論お前だ。その頃皇子は、別の女と政略結婚していた」

「別の女?」

「第一皇女ヨミの母親、レアナ=フォン=エレディ。奴は心底お前の父親に惚れ込んだ挙句、茜御前、お前の母親を排除しその寵愛を独占しようと考えた」

「…その女性は、今」

「死んだ。どうやら寿命のようだ。殺されたわけでも、病に罹った訳でもない。奴は初めから体が弱く、子供など産んでは長く生きられるはずもなかった」

「その女性に、母上は」

「あぁ、眠らされた。同時にお前は殺されそうになった。不死性を獲得する前にな。…お前の母親はお前を守ろうとして、自分にかけられた『永遠の眠り』の呪いに対し一切抵抗しなかった。お前の解呪で手一杯だったからだ」

「成る程」

「当時誰の仕業か知っていなかったお前の父親は、俺にも危害が及ぶと俺を宮廷から追い出した。十分な金と、当時開発中で、俺が好んで使っていた銃を持たせて」

「それで、貴方は復讐を」

「あぁ。あの魔女を殺すと誓ったよ。…最も、復讐する前にあっさりと死んだ事には拍子抜けしたがな。ヨミを産んで一年経ったかどうかだった。まさか皇帝も、自分の子供を孕んだ女が、腹違いの息子達を手にかけることなどないと思っていた。奴の最期の言葉で、ようやくお前の父親は犯人に気づいたらしい」

「その後は」

「復讐を遂げることもできず、義理の母親と故人へのどうしようもない恨みを戦場へ向けていた俺は、ボスに出会った。そこから今に至ると言ったところだ」

「そうですか」

「まぁ、そんな所だ。…どうもお前の目を見ていると、話が長くなる」

「母上に会う気は」

「そうだな…。起きたのなら、会いに行くのも悪くないな。それに、お前は俺の弟分のようなものらしい」

「そうらしいですね」

「…先ほど言ったこともあり、俺たちは主に王国側、ひいては王宮側に付いて、戦場で戦っている。敵側からはよく犬扱いされるがな。王宮からはよく汚れ仕事が回ってくるから、お前にはそれを担当してもらう事にしよう。名ばかりだが特務部隊所属なんだろう?嫌とは言わせない」

「了解しました。義兄上」

「義理の兄、か。まぁ、悪くない」


和解も済んだことだ。先ほどボスが言っていた、握手を行う。

彼の手は傷だらけで、血塗れで、それでいて何処か暖かかった。





☆おまけ☆『作者の豆知識』


兄貴分はマザコンのようです。そういやこいつ、部下には女で遊べと言っていながらどうなんだ?あんまり音沙汰無いが…と思っているそこの貴方!実は近くの小国にちゃっかり家族がいるそうです。任務で救出した貴族の娘に懐かれて、振り払うに振り払えずズルズルと引きずられいつの間にか籍入りー。娘は7歳になるそうです。護身術の天才らしいですよ。空気投げ出来るそうです。



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