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幼馴染は聖女らしい。  作者: PARO
第N章 閑話集 〜その時、彼らは〜
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52話 グレイス編③ 力を貰ったが、慢心は出来そうにない。

間に合った

「まぁ、こんなものか」


地面に撃ち落とされたファブニールだが、ダメージはすぐに癒えたようだ。


「回復力が半端ではないな」

「当たり前だ。首を落とされようが、心臓を貫かれようが、死ぬことはない」

「では何故?一回殺されたのでは」

「普通の龍は、心臓と魔力が宿る器官『魔玉』を貫かれれば死んだ事になる。私はそれでも蘇るが、一回は殺された事になると言うのはそう言う事だ」

「因みに、今のは」

「『背中に鋭利なものがぶつかったが治った』程度のものだ」

「全然ダメではないか」

「私の防御力はジークの時とじゃ比べ物にならないほど強化されている。恐らく、アストレア神の一撃すらも耐え忍ぶほどだ」

「…それは、凄いな」

「永い間魔力を鱗の強化だけに費やした。と言うよりそれしかすることがなかったのだが…後は魔法で近隣の整地や害獣の駆除をしたり、貴様ら人間の行く末を見たりしているだけだ」

「…成る程」

「というわけだ、魔力は余っている。貴様が限界を超えてひたすら行使しても、全然枯渇しないほどのな。…はっきり言って、無限にあると思っていい」

「それは、心強い」

「右手を出せ。我と貴様を『繋げる』」

「わかった」


グレイスが差し出した右手に、ファブニールの指先が触れる。

彼の右手甲に龍紋が焼きつき、契約が完了した。


「邪剣も呼び出せるようにしておいた。…それに、我の力を鎧として纏うこともできるはずだ」

「…鎧?どんな風に?」

「こうやってだ…!」


繋がった影響で強制的に体を操作され、体表に黒い鎧が現出する。


「おい、これは」

「翼付きの鎧だ。切り飛ばされても痛みはしないが、自身の体のように扱うことができる」


試しに翼を動かしてみる。背中から生えている翼には爪が付いており、巨大化させて攻撃することもできるらしい。


「おぉ、これは」

「使いようはお前次第だ。その鎧は壊れてもすぐに再生するから、飛行するのにも便利だ。鎧の強度は…そうだな、人間の攻撃で傷付きはしない程度だ」

「神の力を持った人間の攻撃ならば通ると?」

「威力は減衰されるが、少しはダメージが通るだろうな。先ほども言ったが壊れても直る鎧だ。耐久性を機にする必要はない。…だが、神自身の攻撃や神器などを使用した強力な攻撃は受けない方がいい。そこまでの馬鹿げた耐久はないぞ」


クラムの全力には耐えられないと言うことだな。


「分かった。慢心せずに行く」

「あぁ、その気でいてくれ。久しぶりに会った人間だ、簡単には死んでほしくない」

「人形を取れるならば、俗世にまみれてみたらそうだ?」

「いや、もうそれにも飽きた。今はここで眠るのみだ。それでいい」

「わかった。…もしかしたら、今度助力をお願いするかも知れん」

「そうか。…気が向いたらな」


そうやって、試練は終了した。

俺は力を手に入れた。しかし慢心する気は無い。

守る者が出来たのだ、油断などしていられない。


「そういえばクラムは、どうしているだろうか」


友人に思いを馳せながら、彼は自分の家へと戻った。婚約者が待っていて変な言いがかりをつけられたが、仕方なく謝る事にした。…恐らく、彼に非はないだろうが。



間に合ってなかった。後ろ描き切れてなかったじゃん(絶望)

これでサイドストーリーは一旦おしまい。クラム視点に話が戻るぜよ。

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