45話 アリス編 弟分との結婚⁉︎
アリス編突入。
「え、クラム君と、ですか?」
「まだ決まったわけではないが、大方その方向でいきそうだ」
「どうして、ですか?」
「実はな…クラム君は、帝国の第一皇子だった、らしいのだ」
「帝国の王子⁉︎本当ですか、それは」
「皇帝が認めた。間違いないだろう。…それで、一応君にも受ける意思があるがどうか聞いておきたいが」
「勿論、受けさせていただきます!」
「よかった。これで、帝国とも関係が良くなりそうだ。近い将来、三大国で交流大会を行えるようになるかもしれんな」
「それは、素晴らしいですね!」
「落ち着け、まだ決まったとは言っていないのだ。彼らの要求が一つあってな」
「…要求?」
「あぁ。聖女と私の遺伝子を調べろ、と」
「…遺伝子?」
「そうか、君は帝国方面の知識には疎かったな…。遺伝子というのは人間一人ひとりが持つ、個人を証明する証拠のようなものだ。謂わば、一人ひとり違うバッチを持っているようなものと考えていい」
「…それを、なぜ?」
「連中はどうやら、聖女が私の隠し子ではないかと疑っているようでな。…まぁ、無碍にはできん。大人しく従うだけだ」
「…覚えはあるのですか」
「いや。…ただ、若い頃、君が生まれる前後の私は少々やんちゃだったからな…何処で何が起こっているのかなど、分かりはしないということだ」
「なぜ、それを聞いてきたのでしょうか」
「…クラム君が聖女と同じ村の出身だというのは知っているか?」
「そうなんですか?初耳です」
「では、クラム君の左手にある指輪のことは?」
「はい、一応は」
「それの番が、聖女の左手にあるということは?」
「はい。…まさか」
「そういう事だ。確かに天才だからというだけでは、あの絶大な聖属性魔法への適性は説明しづらい部分がある。もし彼女が私と血縁があれば」
「クラム君の結婚相手は、聖女の方へ…?」
「そういう事だ。この国は原則として重婚はタブーなのは知っているだろう?」
「…はい」
「申し訳ないが、君には二つの覚悟をしてもらおう。 一生の伴侶が決定する事への覚悟と、初恋が破れて消える覚悟を」
「…はい」
「話は以上だ。下がっていいよ」
「…失礼致します」
そう言って、アリスは父の元を後にする。
あの口ぶり、恐らくは覚えがあるのだろう。確かに聖女は、何処か自分に似ているところがあった。
「…どうしよう」
自分は、弟分の恋を応援すればいいのか。
それとも、自分の恋を推し進めるべきなのか。
そうやって悩んでいる彼女の前に、
「あら、王女様。如何なさいました?何かお悩みのご様子ですが」
聖女、セレシアが現れた。




