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幼馴染は聖女らしい。  作者: PARO
第2部(前編)どうやら俺は王子らしい。
36/77

35話 絶好のチャンスだ。

サブタイトルにのび◯ザのネタを入れて見ました。あぁ、大物ユー◯ューバーの話は無しで。

「待っていたよ、クラム君」

「わざわざありがとうございます、皇帝陛下」

「いやいや、そんなに畏まらなくてもいいよ。何たって君は」

「その話は、出来れば静かなところでしたいですね」


帝国の首都 エルセレシアに着いたはいいが、この皇帝である。どうにもやりづらいし、隠してた事をいきなり暴露されても困る。


「そうかそうか、では長旅疲れていると思うが、ついて来てくれたまえ」


と言われて、王城の一室である。


「さて、早速だが」

「皇帝陛下。最初に言っておきますが、私は聖王国の人間です。どんな事情があれ帝国側についたりはいたしませんので、ご了承を」

「…出鼻をくじかれてしまったようだ。それに、君はもう気付いているようだね」

「母上はどこですか?」

「今は安静にしている。何しろ少し前まで約十六年もの間眠り続けたのだ、体の衰えが著しい」

「…それが、俺を『捨てた』理由ですか。少し前にお亡くなりになられたあなたの奥方と、関係がありそうですね」

「…まぁ、そんなところだ。今更言えることもないが、取り敢えず無事でよかったとだけ伝えておこう」


つまりはそう言うことだ。どうやらこの皇帝、正妻戦争の最中に正妻を眠らされてしまったらしい。恐らく俺もその対象だったが、母親が守ってくれた、と言ったところだろうか。


「やれやれ、徒らに女性を囲うとどうなるのか、本当に身に染みたよ」

「…反応に困りますね」

「君はそんなこと」

「しません。陛下とご一緒になさらないでください」


俺はセレシア一筋なのだ。他の女性など見るに値しない。例えどんなに魅力的であろうが、『俺の知るセレシアでない』と言う時点でアウトだ。


女子が主人公のギャルゲーであれば攻略困難というか、攻略不可能キャラに当たるクラム。T◯S先生でも不可能だろう。だって0%だから。…いや、『セレシア』判定をバグでパスすればワンチ(ry


さて、そのようなことはどうでもいいのだ。問題はクラムの出自が明らかになったことである。


まぁ、予想はしていたが。

どうやら俺は、王子様らしい。


だからと言ってどうする気もないクラムは、留学が終わったら本気で帰るつもりだった。


「あぁそうだ、クラム」

「何ですか、陛下」

「これからは、『父上』と呼んでくれ」

「…拒否権は?」

「ない」

「…了解しました、父上」


この皇帝、捨てたくせに随分と態度が良いものである。…何か事情があるのだろうが。


「君に紹介したい『結婚相手』がいるのだが」

「拒否します」

「いや、拒否権はない。我が国において重要な外交政策なのだからな」

「…政略結婚ですか」

「そうだ。まぁまだ予定だが、恐らくそうなると思っていてくれ」


いざとなれば逃げ出せば良いだけである。もとより従う気などなかったのだが、


「相手はアストレア聖王国第一王女、アリス=ノベル=アストレア殿だ。アストレア聖王国の王族ならはっきり言って誰でも良いんだが、あちらはどうやら娘が一人だけだというからな、自然と相手は決まるものだ」


そら来た。何となくわかっていたが。


「…その話、先方はどうと」

「快諾してくれるだろう。非公式の会談だがだいぶ感触がよさそうだったからな」

「…そうですか」


はぁ。セレシアが王族の娘だったら良かったのに。そうしたら親公認で、セレシアと結婚できるのだがーー⁉︎


その時クラムは、会心の返し手を見つけた。


「皇帝陛下。その話ですが」

「ん?何だ?」

「もし仮に聖王国に王女が二人いて、そのうちの片方が私の意中の相手であった場合、その方に結婚相手を変更させていただくことは可能ですか?」

「…ほう?息子よ。何やら面白い情報でも掴んでいるのか?」

「いえ。ただまぁ、二人目の王女がいるかもしれないという情報が入りましてね」

「可能だな。こちら側としては王家の女性ならば構わんのだから、妾の子だろうが何だろうが好きにすると良い」

「…そうですか」


未だ分からないセレシアの出自…と言いたいところだが、もう大体の見当はついている。

あちらもこちらと同じような事情があったのだろうか…とは言え、チャンスはまだ残っているということだ。


「何かするつもりならば頑張れ。だがまぁ、留学生なのだから、ここでたくさんのことを学んでいくと良い」

「承知致しました、父上」


まぁ、敬うのもやぶさかではない。もし上手くいけば、セレシアとの人生を保証する、強力な後ろ盾がつくことになる。


フローラはもちろん、アリスだろうが『元聖女の伴侶を奪い取った』とか言う悪評は付けられないだろう。…これは勝ったのではないだろうか?


一人皮算用をしていた俺だが、事態はクラムの思うように進んでくれるのだろうか?


それはまだ、誰も知らない。



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