25話 復活するらしい。
『目覚めよ、我が契約者よ』
その一言で、目が覚めた。
「…ここは?」
『世界の最深部。世界の理が巡る場所』
目の前の龍が話す。ーーと言っても、念話の様なものだが。
『貴様は死に、魂がけがこの空間へ辿り着いた。今より「真龍」たる我ウロボロスが、貴様に力を与える』
「おいおい待ってくれ、死んだ俺に力を与えて、一体何になる」
『理を以って理を超える力。理を以って理を操る力。理を以って新しき世界を創造する力を』
「それで再臨しろってか。まるで神様だな。そんなものを一人間に与えて、暴走でもしたらどうするつもりだ?」
『その様なことはない。貴様は清く正しい心を持っているが、それだけではない。貴様の伴侶と交わした永劫の「契約」がある限り、貴様は悪事に身を染めようとはせん。そう言う様に、あの男が仕向けたからな』
「あの男?ーーカーロン先生か」
アストレアとの会話でも出た、『あの男』。如何してこう言った世界のお偉い様が、カーロン先生の事を知っているのだろうか?
『カーロン=ノベル=ユークリウス=ヴァルクラウド。嘗て我らが世界に、神に叛逆し、彼の帝国を打ち立て大陸を平定した男』
そう言えばこの大陸は一時期、一つの国に統一されていたそうだ。その名はエレスハイム帝国。現在も存在し、大陸の領土をアストレア聖王国、グラムス王国と三分する帝国だ。
「先生が、エレスハイム帝国の、初代皇帝?」
『そうだ。その男は嘗ての伴侶の全生命を賭した献身により不老不死となり、自らの楽園を築いた』
「…そんなことが」
『だが男は絶望し、その帝国を棄て、何処かへ消えた。かの楽園を見せるべき、最愛の伴侶がこの世を去っていたからだ』
「…何処か、俺たちに似ている」
『かの男の亡き伴侶の名はセレシア。セレシア=ノベル=ユークリウス=ヴァルクラウド』
その言葉には、驚愕を隠せなかった。
「…セレシア、だと」
『そうだ。貴様の伴侶である女神アストレアの現し身の前世。そして貴様は、あの男の子孫。あの男は自らの子孫である貴様に、自らの夢を託したのだ』
頭が混乱しそうになるが、ふと疑問が浮かんだ。
「如何してだ。それならば先生が再び結ばれればよかっただろうに」
『生まれ変わりを守ったところで、あの男の罪は消えはせん。だからあの男は、同じ結末を迎えるであろう貴様ら二人に、その指輪を与えたのだ』
何故か、納得できた。きっと俺も同じ状況下では、そうするだろうから。
「あぁ、成る程。だから先生は俺たちに、あんなに懇意にして下さったのか」
『そう言うことだ。ーー話は終わりだ、我が契約者』
そう言って龍は、
『貴様は二度と、永劫に死んではならぬ。ここで力を得てのち、この世界を、そしてこの世界以外にも、その力を持って救済を与える責務を課す』
「酷い話だな、それは」
『拒むことは出来ぬ。さもなくば、貴様の伴侶も程なく、ここへ送られるだろう』
「ーー!」
『あの仮面の動きは誤算だったが、こうなっては好都合だ。…契約者よ、その力を以って再臨し、世界に救済をもたらせ』
そう言って龍は、少年を送り出した。
☆作者の言い訳コーナー☆
『何やらチートが始まった様だ』と思った方もいらっしゃるっと思いますが、ここからの展開的にそこまで酷いものにはなりません。と言うのも、主人公はこの力を滅多に使おうとしないからです。
ここから敵も強くなるため、この程度の力を与えておかないとヤバくなるということもありますし、ラストの展開にまで持っていくには、この『不老不死』という設定は必要不可欠なんです。
と。ここまで見苦しく言い訳を続けてきましたが、別にハーレム作るわけでも、ファイアーボール一発で世界が滅びるわけでも、なんでも一人で解決できる様になるわけでもないので、これからも読んでいただけると幸いです。
はい。ホントお願いします。『あーもうつまんねぇ』とか言って帰らないでください。どちらかというとこっから面白くなってきます。うん、絶対。頼みます。お願いしますーー。




