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幼馴染は聖女らしい。  作者: PARO
第1部 幼馴染は聖女らしい。
22/77

21話 強くなりたい。

「…天と地ほどまでに実力を離されたな」

「そうでもない。貰い物の力で強くなってもあまり嬉しくないよ」

「でも、アストレア様に選ばれるなんて。まさに奇跡ですよ」


学園内、いつもの3人での会話である。


「実力といえば、お前は王国の王子にすら勝ったわけだが」

「個人の力では手も足も出なかった。言って仕舞えば体のいいイカサマだよ、あれは」

「そうでもありませんよ。選ばれると言うこと自体が凄いんですから」


自嘲するクラムを励ますフローラ。だが乙女よ、その優しさは彼にとって、そして彼の友人にとっていいものではないと知れ。


「アーサー王子は俺との戦いの後、直ぐに『試練』とやらに放り込まれたらしい」

「そういえば父上がそんなことを言っていたな。お前もどうだ、と勧めてきた」

「…お前も試練を?」

「あぁ。今度の休みにでもな。最も、力を示すのは神にではなく、竜にだが」

「…ほぉ」

「試練の邪竜、ファブニール。あの親父、自分が怖くて諦めた試練を有ろう事か息子に丸投げしてきやがった」

「…まぁ、頑張れ」

「そういえばクラム君、私も試練ではありませんが、ちょっと特訓をすることになりまして」

「へぇ、どんな?」

「なんでも、私の家に伝わる最強の防壁魔法の再現だとか。『お前ならできるかもしれない』って、親が丸投げしてきました」

「そちらもか…お似合いだな」

「気持ち悪いことを言わないで下さい!」

「き、気持ち悪い、だと」

「こんな自己中心的で、それでいて弱っちい人と一緒にされては困ります!」

「自己中心的…弱っちい…」


珍しくフローラがグレイスに対し言及する。その言葉たちは無数の刃となって、グレイスの心を切り刻んんだ。


「照れ隠しもほどほどに。グレイスの心が死にそうだ」

「照れ隠しではありません、本心です。それ以上言うと、クラム君だろうが怒りますよ」

「ーー」


最早グレイスは絶句。クラムも困ったな、と言った表情を浮かべる。


その後グレイスは謙虚になろうとクラムの性格を見習い始めたが、


「クラム君の真似をしたからといって、モテるとでも思っているのでしょうか」


というフローラの陰口を聞いて、心が砕けかけたそうだ。


「クラム。どうやら俺は無理そうだよ…」

「おいおい、諦めたら親父の二の前になるのでは無いか?その程度で諦めてはいかんだろう」

「しかしーー」

「しかしも何もねぇ。(いい加減フローラが俺から離れて欲しいから)こっちも応援する。試練を受けるんだろう?それを達成したら、彼女も見直してくれるかもしれん」

「そういう、ものなのか」

「わからんがな。だが、やってみる価値はある」

「わかった。やってみようと思う。『試練』を」


この様なことから、 邪竜からしたら非常に情けない理由で、後の『魔剣士』は試練を受けに行くことになった。後世に語り継がれる伝承は『後に妻となる(フローラ)を助けるため』と脚色されてはいるが、実情などこんなものであるーー。




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