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無能アーストン
俺の父は魔法剣士。
中級魔法と剣の合わせ技はそんじょそこらのモンスターでは歯が立たない。
そして母は上級ヒーラー。
お父さんと結婚する前は国の貴族をも治療していたくらいの腕の持ち主だ。
そして俺はというと・・・。
なぜか潜在魔力がゼロで、剣技も平均以下。
今やほとんどの人が魔力を消費して魔法を使っているというのに、俺は魔力がないので魔法が一切使えない。
父も母も魔力がなくったって大丈夫だといつも言ってくれるが、俺は自分に魔力がないことをずっと気にしていた。
魔力が使えないから少しでも剣技を磨こうと努力をした。
父に剣を教わり、毎日木刀を振っていた。
だがそれもほとんど意味がなかった。近くに出没する雑魚モンスターを倒すのでやっとやっとだった。
ならばと思い、俺は勉学に励んだ。学校に通い必至に勉強した。
おかげで学校での成績はかなり良かった。
魔法も剣技もできない俺からしたら唯一の得意分野だったので嬉しくて夢中になって頑張った。
そんなある日、家に初老のじいさんがやってきた。