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青葉、この世界を学ぶ

 「それで、何から聞きたい?正直私は何からどう説明していいか分からないから、アオバが知りたいことを聞いてよ」

 と言ってアルはこっちをじっと見てくる。彼女はオレンジの瞳、ショートボブの髪型で一見は可愛い小学生くらいの女の子に見える。実際のところは小学生どころではない、鋭いパンチを放つ女性だ。現代で髪がオレンジ色なら、当然染めて色を変えるが、どことなく違和感のようなものを感じるものだが、彼女からはそんな違和感を感じない、それが自然な状態だと感じる。そんな感覚が彼の頭の中で、異世界へのトリップを裏付けているようになってきていた。


 ともかく、せっかく色々教えてくれるというのだから教えてもらおうではないか。と思うがこっちも分からないことだらけで何を質問しようか迷うところでもあった。

 「うーん、じゃあこの建物は何?入口にギルド局って書かれたはずだけど」

 「その通り、ここはギルド局。や冒険者の方に対しての依頼の提供、またこなして欲しい仕事の依頼を請け負う場所です。そのギルド局のヘスト大陸のエルビアの街の支部なんだよ」

 「えーと、まず、ギルドとかヘス・・・なんだっけ?まぁ、その大陸とかよくわからないんだけど・・・」

 「た、大陸まで忘れているなんて、君の頭は繊細なの?馬鹿なの?」

 「前者に希望届けを出すけど、間違いなく後者です」

 「何開き直ってんのよ・・・。まぁ、教えるから。私のせいかもしれないし・・・。まず、ギルドっていうのは、複数の冒険者とかが集まった団体のことをさす言葉なの。仲がいい人たちで集まっただけのギルドや、何かの専門分野を持つギルドなどいろんな種類があるよ。あ、因みに冒険者ってのは冒険をしている人たちのことね。冒険者はこのギルド局からの依頼とかでお金をもらったり、魔物の素材を換金したりでお金を得ているわね」

 「ほうほう、なるほど」

つまり、さっき通りで聞いた情報ギルドというのは、おそらく情報に特化した集団であるのだろう。今の自分にとっては情報が喉から手が出るほど欲しいし、これから生きていく上で不可欠なので是非今後知り合いになって欲しいと思っていた。


 「んで、大陸のほうは・・・。ちょっと待ってて」

といい、立ち上がるとどこかの一室に入っていき、帰ってきた。彼女の手には丸められている1枚の紙があった。アルは座り直し、テーブルに持ってきた紙を広げる。その紙は横長の長方形で、左上、左下、右上、右下の四方向に大きな大陸が描かれていた。アルは一つの島を指で指し始めた。

 「この、あなたからみて左下の島があるでしょ?これがヘスト大陸で私たちの街、エルビアはここ」

 といってアルは左下に見える大陸の左上にある丸い印を指す。どうやらこの丸い印が街を表しているようだ。この大陸には他にもパッとみても3つから4つほどの街があるのが分かった。

「そして、この右上の大陸がアルビシア大陸。この大陸ある王都ペンデライトがとにかく有名かな。この大陸の王都よりかはかなり大きいしね。右上の大陸はアトランタ、右下はクロニアだね」



「まあ、とりあえずこんなものかな?」

「ああ、ありがとう。助かるよ」

すると、どうだ!と言わんばかりに胸をそらして誇らしげな顔をする。この時、青葉はふと気になることが浮かんできた。

「そういえば、お金がない・・・」

ポケットなどを探してみるものの、何も入っていない。学生証の入った財布や携帯もしかりだった。


くっそーー終わった!と思い、絶賛絶望ナウな青葉にアルはさらりと、

「キャッシュにあるでしょ?何言ってるの?」

お前が何言ってるの?とそっくりそのままお返ししてやりたい気分で一杯になりつつ、また新たな単語が出てきてもうワケがわからない。それを察してくれたのか

「あー、分からないのね。大丈夫、教えるから」

向こうもこっちが何も分からないというのが大体分かってきているためか、大して驚いた様子も出していなかった。


「キャッシュっていうのは 、お金を出し入れ出来たり、そのまま何かを買ったりできるのよ」

というとアルは手のひらを上に向けた状態でスッと腕を伸ばしてくる。

「キャッシュを取り出そうと念じると、キャッシュが出てくるよ」

そういうと、今まで何も無かった手のひらの上に長方形状の鈍い金色のカードがあった。

「キャッシュは念じればお金を出したり、お金を入れたり出来るの。まあ、普通は出したりしないんだけど、公的なやり取りとかではたまにあるかな。お金は本人にしか見えないし、念じたらまた消えるよ。アオバもやってみな」


言われるがまま、キャッシュを念じてみる。すると同じような鈍い金色のカードが机の上に出ていた。さっきは文字も何もないカードだったが今はハッキリみえた。


アオバ リョウ

ポル 10000


このポルというのはおそらく円の代わりになる、お金の単位なんだろう。そして今持っている1万は現代で財布の中に入っていたお金と一緒だった。おそらく、この世界と現代でのお金の価値が同じようなもののようだ。


「もう先にいっとくけど、ライセンスも見ておいたら?あなたがどんな人なのかが記載されているはずだよ。魔法が使えるようならそれも載っているからそれ見たら思い出すかもね。取り出し方とかは全く一緒だから」


そう言われ、キャッシュをしまいライセンスを取り出すように念じる。すると真っ白なカードが出てきた。


NAME アオバ リョウ

SEX 男

AGE 16

LEVEL 1

MAGIC 『剣を司る者(アーカイブ)

SKILL 光剣 LV1


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