始まり。
「あーー!!もう!!!また落ちた!!!!」
瑠花は叫んだ後、ひざを抱え込み針ネズミのように丸まった。
「また落ちたの?星陵芸能事務所のオーディション。懲りないねぇ〜あんたも。別の事務所にすればいいのに。」
呆れていると言わんばかりの顔の流。
その言葉にすかさず丸まっていたと思っていた瑠花が立ち上がり、興奮気味に言う。
「だって、だってだよ!星陵に入ればあの徹様に会えるかもしれないんだから!絶対星陵じゃないとダメなの!」
瑠花がいう徹様とは今、人気絶頂のアイドル、小早川徹を指している。爽やかな顔のイケメンで、歌、ダンス共にうまく、それだけでも充分なのに、さらにドsな発言で女子のハートを奪っていくという技まで持っている。流は「どこがいいのかわからない。」といつも言っているが、瑠花はそんなことお構いなしに徹様のことを考えている。
「どこの事務所でも共演できるわよ。そもそも同じ事務所でも共演できない可能性だってあるんだから。」
流すっかり興奮している瑠花に向かって冷静に言う。
「あ、そっか!!ずっと気づかなかった…」
盲点だったらしい。
「じゃあ、あのポスターに書いてあるやつ応募してみれば?」
「アルファ事務所アイドル募集?」
いよいよ最後となってしまいましたが…どんな結末になったか、第1話の執筆を終了してこのあとがきを書いたわたしには想像できません。むしろ完結してるの?読者さんはいるのか?って感じです。なにはともあれ、最後まで書き切れて良かったです!二回作でまた会えることを祈っています!
サヨナラ〜