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~研究会、大まかな科学の全体像~

科学を知ってもらう為の話何で、既に知っているという人はゴメンナサイ。

 やりました。ハヤテさんと研究会です。今日は沢山勉強させてもらおうっと♪

「綾花、ヤケに嬉しそうね」

 と、舞乃さんが言っていましたが、それは嬉しいに決まってます。

 私は化学科だから同じ学科で入試トップのハヤテさんがいてくれて、しかも研究会が出きるなんて、凄く光栄なことなんですよ?

 それに、舞乃さん、奈桜さん、ハヤテさんは、私のことを寝てばっかりで世話がかかると思ってるかもしれないけど、研究会で私だってやるときはやるってことを証明するために頑張りますよぉ!

 そもそも能力研究会、通称研究会は自分達の能力の効果を上げるのはもちろん大事ですけど、そのためにはまず、科学について詳しく知らなければいけません。でないと、実戦で他の能力ジャンルを使ってくる相手には全く対応出来ないことになりますから。

 本当は授業で全部教えられたらいいんでしょうけど、時間が足りなくてそこまでは手が回らないんですよ(もちろん、他のジャンルの基礎的なことを少しは教えるんですけどね)。

 だからこそチームと、そのチームでする研究会は発展的なことが学べて、学んだことを戦闘や、新しい能力の作成、はたまた能力を効率よく使う為のプレートのプログラミングに生かしたり出来るという大事なものなんです。

 ですから私は気持ちが高ぶっていていつもみたいに眠たくならないんですね。

 私が、こんなことを考えながら三人の背中を軽い足取りでついて行っていたら、いつの間にか能力研究会をするための部屋である研究室に着いていました。

 中に入ると全体はコンサートホール位の大きさがある中に、たくさんの個室みたいな部屋(分かりにくい人はカラオケボックスを想像すると分かりやすいかもしれませんね)がありました。こんなのを作らないといけないから県に一つずつ理科高校作っただけで国家予算が悲鳴をあげるんですよ。科学は成果が実るまでお金が懸かるんです。

 研究室はどの個室にも誰もいませんでいた。

 それは当たり前なんですけどね。2・3年生は授業がありますし、一年生はチーム編成で忙しくて、まだ研究会とかをする段階ではないですから。

 ですからフロア全体が私達の貸し切り状態で研究会が始まりました。

 切り出したのはやっぱりこの方、今や我がチームのリーダー的ポジションで落ち着いてきました舞乃さんです。

「それじゃっ、研究会を始めるわ!まずは、科学の基本的事からハヤテに説明して貰う事にするわ。よろしく、ハヤテ」

「それって丸投げ…いいけどな……。」

 なんだかんだ言っていても聞き入れてくれる所はハヤテさんの良いところです。舞乃さんと話しているときは特にそんな感じがします。お二人は付き合っていらっしゃるのでしょうか?若干妬けます…。

「それじゃ、大まかな歴史から話すとするか。古代エジプトで金属を加工したり、染色、ガラス、セッケンなんかが作れていた。しかし、古代ギリシャ人が身の回りの物質の根源的な部分は何なのかに興味を持って、タレス、クセノファネス、アナクシメネス、ヘラクレイトスという4人の人物がそれぞれ水・土・空気・火が物質を作る根源だとした。奈桜、ここまでは分かるか?」

「はい。ですが今の理論と全く違いますね」

「まぁ、そうだな。そしてこの4つをまとめたのがエンペドクレスという人物だったらしく、物質はさっきの水・土・空気・火の4つからなり、温・冷・乾・湿の作用でお互いに変化すると言った。これが四大元素説といって、その後二千年間この理論が当たり前のものとして受け入れられるんだ」

「それは、何というか…滅茶苦茶ですね。そんな間違った考えだったら不都合とか出て来なかったんですか?」

「いいところをついたな、綾花」

 えへへ、褒められました。嬉しいです。

「そう、その不都合が実際に起こったんだ。何か適当なモノから金を作ろうとする『錬金術』という学問が2~3世紀のエジプトで生まれた。知っての通りそんなことは出来るはずがなく失敗に終わったんだが、その頃に考案された実験方法とか物質の知識は今でも使われているモノが多いんだ。ここでこの失敗から四大元素説や錬金術は間違いではないのかと考えて出てきたのが今の科学だな。舞乃は理解出来てるか?」

「馬鹿にしないで。大丈夫よ」

 私もなんとか付いていけてますよ!

「それじゃ、次は物理、化学、生物の大まかなお互いの位置について考えるぞ。まず、舞乃は自分の使う物理学をどういう学問だと思ってる?」

「物質の運動、熱、電気、音とか光とかの波とかを研究する学問ね」

 物理ってそういう事を学ぶんですか…。

「それじゃあ、綾花は化学をどう思ってる?」

「え~っと、化学反応がメインですので、何かと何かを混ぜて操作すれば何か別の物質になるってことを研究する学問、でしょうか」

 これは私の能力ジャンルなので自信ありますよ。そんなに威張れるような難しいこと言ってないんですけど。

「奈桜は生物学をどう捉えている?」

「生物学は生物全般を研究する学問。それ以上でも以下でもない」

 むぅ、奈桜さんも自信満々です。

「そう。それが学校教育で習ったことによって出来上がった固定観念だな。間違っては無いんだが、その考えでは学習がある程度の所で止まるぞ」

「どういう事ですか?」

 ハヤテさんはまた違った考え方をしているのでしょうか?私の問い掛けにハヤテさんは言いにくそうな顔をして返答してくれました。

「あのな、その考え方を聞くと、三人とも物理学・化学・生物学は科学という学問の、それぞれ違う分野で、それぞれ相容れ無い個別の学問だと思ってるだろ?」

「それはもちろん。だって、この三つの学問はそれぞれ全く違うことが研究対象だし、違う分野と内容がかぶる事なんてあんまり無いわ」

 私も同じ考えですけど?

「だろうな。そこは学校教育の弊害と言うべきか、そんな風に考えている奴が多いが、この三つの学問は実はお互いに繋がっていて、行き着く先は全て一緒なんだ」

「どういう事ですか?」

 よく分かりません。

「科学はこの世界の全ての事象を研究する学問だからだ…とか宗教めいた事を抜かすつもりはない。何、分かっちまえば簡単な話さ。そうだな、まずは生物学から始めようか。生物学は物理や化学に比べて実験が多いんだが、奈桜、どうしてだか分かるか?」

「生物は実験によって得られた結果から一般化して生物についての詳細なデータを見て考察する学問だから」

「なぜ実験すると思う?物理や化学みたいに未知のものに関しても生物の知識を使って理論的に組み立てて結果を導き出すことはできないのか?」

「出来ないことはないが、そのような例はあまり見られない」

「だろうな。だけど、生物を理論で説明しようとする学問があるんだ。単純な分子構造や化学反応を繋ぎ合わせてな。そう、それが化学だ」

「化学って生物と繋がってるんですか」

 そういう意識は持っていませんでした。

「ああ、生物は特に暗記科目ってイメージが強いかもしれないが、化学が全てのことを矛盾なく証明できたら生物の暗記は極端に減るんだ。三年前までの高校のカリキュラムではそこまで減るように感じないかもしれないが、当時の大学や今の高校教育では特にそう感じることが増えてくると思う」

「そうなんですか。でも化学も実験することとか、結構ありますよ。やっぱり実験第一なんでしょうか?」

「そうだな。実はその化学で必ず使う元素や熱、反応なんかを理論的に研究する学問も存在する。もう分かるだろ?それが物理学ってやつだ」

「私の能力ジャンルね!」

 そう言った舞乃さんの目がどこか輝いていました。

「そうだな。物理は物質の運動や波、現代物理学では原子よりも小さい量子物理学なんかもやっているが未だに全部が解明されているとは言い難い。物理が全て研究され尽くせたら、理論上は分からないことが無くなるはずだな。だが、現代物理学は特に分かりにくいのが多くてな。そうだ。ここで小話に、舞乃、シュレティンガーの猫の話を頼む」

「ハヤテ、本気!?」

 一体どんな話なんでしょう?猫さんはモフモフしてて、可愛いから好きです。

「ああ、オレだけ喋っていてもつまらないからな。こっからは舞乃にバトンタッチだ」

 そう言ったハヤテさんは少しだけ人の悪そうな笑みを浮かべていました。何なんでしょう?

これから毎日更新を目指します。

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