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~能力分析・舞乃の考え~

またもや遅くなってしまいました…。

それなのに閲覧者のペースが上がっていて、申し訳ない限りです。

出来る限り頑張ります。

 それからも俺が人間サンドバックになることである程度この二人の実力が分かった。

 まずは奈桜の方だが、彼女は基本的に攻撃、防御、回復と何でもこなすユーティリティプレイヤーのようだ。

 普段は前線で近接戦闘をこなしながらも、味方が危なくなったら防御に回り、自分も含めて味方がダメージを受けてしまったら回復もこなす、良く言えば誠に頼もしく、ありがたい味方であり、悪く言えばバーサーク・ヒーラーである。

 奈桜を相手にする奴、南無三…。

 次に綾花の方だが、彼女は先取防衛と言っているが、防衛手段が明らかに攻撃アビリティで構成されているので、カウンター型の戦闘スタイルとでも言うのだろうか。

 ただ、過去のトラウマを克服して、攻撃アビリティをアクティブに使えるようになったらおそらくは、恐怖の絨毯爆撃使いになるだろう。なぜなら、綾花の設定しているアビリティがそんなんばっかりだったからだ。

 基本的には中盤の防御に回して、チームの布陣の深くまで入られたら排除してもらう役がピッタリだろう。

 

 と、まとめるとこんな感じである。

 と言うか、よっぽどの事が無い限りこの二人がさらわれたり、ダメージを受けたりする事は無いだろうと思うのだが、今回実際にやってみて分かった。この二人、

「ハっ、ハヤテさん、少し、休ませて、下さい…体力が、保ちません」

「…同じく……」

 使用する能力のレベルが高いからか、体力切れが早いのだ。

 と言っても、エリートと言われている理科高校の平均的なレベルの生徒が初級アビリティを使い続けてスタミナ切れを起こすタイミングより若干早いだけだから、実質のスタミナ量でいけばむしろ平均以上なのだろうが、それでも攻撃アビリティを受け続けているだけの俺の防護フィールドを夕方までやって間にかなりのインターバルをはさんだのに半分も削り切れないところを見ると、多少期待し過ぎたかとは思う。(もっとも、そんなことが出来る奴なんてそうそういないが…)

 だが、幾らアビリティのレベルが高くて能力を使う時により多く体力が必要だからといって、スタミナ切れの早さは由々しき事態である。

 なぜなら、相手に体力を多く使わせ、スタミナ切れを起こしたところを叩く戦術なんぞいくらでも存在するからだ。

 そこを狙われたらこの二人は終わりである。

 まっ、さらわれないようにするだけならオーバースペックの能力ではあるが。

 夕方になるまでやってある程度二人の事が分かったので、そろそろ終わるとするか。

「いや、もう終わろうか。二人の事、十分に分かったからな」

 俺がそう言うと、二人はその場にへたり込んだ。

「終わったぁ~……」

「能力を使ってきて、こんなに辛いと感じたのは初めて………」

 そこまでのものか?

「俺はそうでも無かったぞ?」

 俺がそう言うと、

「それはハヤテさんが異常なだけですっ!」

 と、綾花。

「……………………。(恨みがこもったようなジト目)」

 これは奈桜。

 綾花はまだいいが、奈桜は怖すぎである。

 俺人間サンドバックになってただけですけど、何かしましたっけ…?

 それからまたもや2対1で愚痴を言われ続けるハメになったのは言うまでもない。


 そうこうしていると校内放送が入り、今の街の現状が現状なので警察がまた路地に出るから、三十分後に一斉に下校するようにとの放送が流れた。その前に一度教室に集まるようにとの事だったので、俺達は言われた通りに教室へと向かう。

 俺が教室に入ると、舞乃が既に自分の席に着いていた。

 奈桜も綾花もよっぽど疲れて座りたいのか、教室に入るとすぐに自分の席に向かって歩いて言った。

 仕方ないので俺も自分の席に着く。

 俺が着席して少しの間があった後、

「…ねぇ?…………ねぇってば、ハヤテ…」

 舞乃が話しかけてきた。

 正直、今話したくは無いのだが、無視するのもはばかられて返してしまう。

「何だよ?」

「アンタ今日何してたの?」

「お前も知ってるだろ?奈桜と綾花と訓練場に行ってたんだよ」

「そう……」

 俺と舞乃の間に沈黙が流れた。

 三十秒ほどで流石に沈黙に耐えきれなくなった俺は、どういうわけか話したくないはずの綾花に俺の方からオウム返しで話題を振ってしまっていた。

「そっちは何してたんだ?」

 舞乃が遠い目をして答えた。

「何してたと思う?」

「分からん」

「…そう」

 それから一呼吸置いてから続けた。

「私は別に何をしていたというわけでは無いわ。校内をフラフラうろついていただけ。ちょっとコレまでの自分を振り返ってみて、これからどうしようって…」

 そう言うことをケンカ真っ最中の相手に普通は言うだろうか?

 そう思いはしたが、黙って聞くことにする。

「私ね、考えたの。これまでやってきた事は間違いだったんじゃないかって」

 それは…、

「そう言えない事も無いとは思うが、全部が全部間違わない人間なんていないぞ?考え過ぎじゃ無いのか?」

 原因の一端は俺にもあるだろうし。

 しかし、俺もケンカ中の相手に何を普通に話しているのだろう?

 それは舞乃がふとしたことが原因でいなくなってしまうかもしれない。そんな雰囲気を今の舞乃が纏っているからかもしれない。

「考え過ぎ。確かにそうかも知れないわね。だけど、今日1日一人で過ごしてみて思った。私には仲間が必要だって。確かに必要に迫られて作ったこのチームだけど、私独りじゃどうしようも無い時だってある。そんなとき、いえ、そんなときで無くとも仲間は大事だし、守り守られするべきだと思うわ。だけど私は、そんな大切な仲間のハヤテ達を自分の都合で危険に曝そうとした…」

 昨日のデモ隊の事だろうか?ウチのメンバーなら戦力から言ってあれぐらい危険とはほど遠いと思うのだが…」

「私って、本当に最低だ…」

 反省し過ぎているような気がする…。

 しかしコレならいけるんじゃないかと思って、少々エグい手だが、舞乃にこう聞いてみる。

「チームに戻って来るか?」

 あっさり同調して来ると思ったのだが、予想に反して、

「今更どの面下げてよ?それに、そうは言っても、あの人の事を悪く言うような奴だけは許さないから…」

 と強がった舞乃の表情はみていて痛々しかった。

 俺も少し悪かったかもしれない。

「俺はお前の言う『あの人』の事を認めるつもりは無い。そんな奴はいないんだ、早く気付けと言いたいが、戻って来るか?」

 俺から折れる事にした。

 色々言いたいことがあるのは山々だが、どうしてだか分からないが、コイツの苦しんでる姿なんて見たくは無い。俺は、コイツにはいつも笑っていて欲しいんだ。

 そう思っちまった。

 だが、舞乃は、

「今更アンタ達に頼るってのも嫌よ。それに、アンタに頼る位なら死んだ方がマシよ!」

 と、語尾を強める。

 そこは変わらないんだな。

 安心するべき事なのか、げんなりするべき事なのか、微妙なところだが。

 そのタイミングで担任の結城が入って来てそのまま全員の確認と、初連絡に移り、それが終わるとすぐさま下校しなければならなかったので、それ以上舞乃と話すことは無かった。

 連絡によると、事態が解決するまで学校に来るようにとの事だった。つまり、明日は日曜日だが学校に出てくるようにだそうだ。

 流石に一日中拘束は出来ないが、昼間は学校で一括して匿った方が安全なのだろう。その理屈は分かった。

 他の生徒は文句を言っていたが、結局はチームトーナメントの準備があるので出てくるはずだった奴がほとんどで、どっちにしたって同じだろうから表面だけのものだ。

 それにしても、舞乃のあの吹けば散ってしまうようなあの儚さは何だったのだろう?

 俺はそんなことを考えながら帰路に着いた。

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