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~お昼ご飯は…~

日付が変わりそうなんで、取りあえずキリのいい所までうpします。

日付が変わったら今夜中にこの続きと、その日のうちにその日の分を投稿します。

 舞乃の親父さんが出て行った後、舞乃が俺の方に振り返り、

「プッ、敬語使って話すハヤテなんて初めて見た。もう違和感ありまくりよ。笑いをこらえるのに思わず必死になっちゃったわよ」

「うるせー、いいだろうが。それでこれからどうするんだ?」

「そうねー…。今十一時だから、とりあえずお昼の用意をしようかしら」

「はっ?お前が作ってくれるのか?」

「なっ、何よ。何か問題でもあるわけ?」

「いや…特には……」

 いや、それって手料理ってやつじゃ…。別に喜んでるワケじゃないからな。ただ、ちょっと楽しみだ。

「ハヤテさん、鼻の下伸びてますよ?」

 と、綾花。しかもジト目である。いつもは凄く可愛いと思うのに、今はなんか怖い。

 助けを求めるように奈桜の方に目線をやると、こちらはいつも通りの無表情。ただ、こんな状況だからそう感じるのかもしれないが、なんとなく目が笑ってない気がする。いや、本当に気のせいかもしれないが…。

 もう一度綾花の方を見ると綾花は胸の前で両手を握り、

「あっ、あの…。舞乃さん。お昼は私達にも作らせて下さい」

 と、お願いしていた。

「えっと、私が作ろうと…」

「いくらその…ゴニョゴニョ(よく聞き取れなかった)だからって、抜け駆けはよくないです!」

「抜け駆けって、そう言うわけじゃ…」

「だったら、私にも作らせて下さい」

 舞乃は一瞬狼狽えたような素振りを見せた後、小さな溜め息をつき、

「わかったわよ。一緒に作りましょう」

 と、了承した。

「私も参加する」

 とは奈桜の弁。

「奈桜、あなたもなの?」

「問題が?」

「っもう!わかったわよ」

 便乗して昼食作りをする約束を取り付けたようだ。

 それにしても、三人とも昼食に何をそんなに必死になっているんだ?

 それに加えて、綾花も奈桜もそんなに積極的なやつだったか?

「この際、折角だからハヤテも作りなさい」

「なんで俺が!?」

「私達三人が作ると決めたんだから、アンタも作らなきゃ不公平でしょうが。それに、働かざるもの食うべからずよ」

「本音は?」

「料理を三人が別々に作る流れになった以上、競うことが目に見えてるでしょう?万が一にもビリにはなりたくないから保険」

「つまり男は基本的に料理ができない奴が多いから、俺が全く料理が出来ないと踏んでかませ犬として誘ったと」

「そうよ?」

 たちが悪いな。だが今に見てろよ。

「ギャフンと言わせてやるからな」

「へぇ、楽しみじゃない。負ける気は無いから」

「私もです」

「同じく」

 こうしてなぜか流れで俺まで料理をする事になった。


 食材はあるというので、俺達はそのままキッチン…いや、厨房へとお邪魔させてもらった。

 いや、だってここ滅茶苦茶広いし…。誰が使うんだよこんなの。少なくとも一人で料理を作るような所じゃないぞ?オレがそんな考えを抱くぐらい呆れる理由は、

「シンクはどれでも好きなの使って。どの台にも調理用具は不足が無いくらいは揃ってると思うから」

 そう、この広い空間に調理台が十台ほど備え付けてあることに呆れるのだ。どんな家だよ!これだからブルジョアは…。

「あのう、食材は何が有るんですか?」

 さっきまで俺と同じ様にこの厨房の雰囲気に飲まれて、目を大きく見開いたままだったはずの綾花が立ち直ったのか、料理を始める上で一番大切なことを舞乃に聞いた。作るメニューは食材しだいだからな。

「あぁ、それなら、あそこにある冷蔵庫から好きなの持って行っていいわよ」

 そう言われて「はぁ~い」と返事を綾花が振り返りながら、舞乃が指を指している方向へとふりかえり、

「冷蔵…庫?」

 と疑問を口にした。

 俺だって疑問に思う。舞乃が指差した先には冷蔵庫など無く、大きな黒塗りの扉がただあるだけだからだ。まさかとは思うが、一応疑問を口に出してみる。

「舞乃?まさか冷蔵庫ってあそこか?」

「何言ってるの?」

「なんだ、そうだよな、いくら何でもそれは無いよな」

 と、俺が言ってる間に舞乃が扉の前まで歩いていき、一見重たそうな扉を左右に一気に開いた。

「当たり前に決まってるじゃない?何いちいち確認してるの?」 

 かなりの奥行きがある、広々として冷え切った空間を塗りつぶすかのように所狭しと様々な食材が置かれていた。

 このトンデモな家に馴れきってるお前に少しイラッとするぞ。

「あのな、舞乃、そういうのは冷蔵庫じゃなくて食糧庫っていうんだよ」

「そうなの?まぁそれはいいからとっとと始めましょう」

 はいはい解りましたよお嬢様。

「調理時間は一時間、四人で食べるんだから量は少なめに盛り付けたのを四人分ね。何か質問はない」

 誰も何もないようだ。

「それじゃ、始め!」

 こうして俺達四人の料理対決の火蓋が切って落とされた。


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