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~舞乃の家へ~

 研究会が終わって日付も変わり、チーム編成期間三日目の朝のホームルームを終えた後の教室。私、黒生野奈桜とチームメイトはまた暇を持て余していた。

 このメンバーの行動決定権は朝永舞乃に全権が握られているようで、今日の活動予定について話されるのを待っていた。

 舞乃は少し考えた後で、

「今日は、あたしの家に来ない?」と、そう宣言した。

 舞乃の家に招待されるのは構わないが…。

「おい舞乃、それは今からか?」と言ったハヤテに対し。

「当たり前に決まってるでしょ」と舞乃は返した。

 それからもハヤテと舞乃の問答は続く。

「だが、いくらチーム編成期間で授業が無いからと言って校外に出るのはマズいだろ」

 私も気になる点はそこだ。良いのだろうか?

「ハッハン、ハヤテ、まだプリントに目を通してないでしょ?男ってコレだから…」

「その出来の悪い息子を見るような目はやめろ」

「まっ、許してあげる。結論から言うと良いわよ?プリントにも書いてあるし、どうやら校内だとチームメイトと内密に打ち合わせ出来る場所を確保しきれないみたいだから特別に許可されているみたい。出席確認も朝だけで、後は放任だしね。てなわけで、今から行きましょ!」

 そう言い残すと舞乃はすたすたと歩いて教室から出て行ってしまった。

 私達三人、私、ハヤテ、綾花は顔を見合わせ、互いに苦笑いを見せた後舞乃の後を追った。


 舞乃の家に向かう時に、私達四人は雑談を楽しんだ。

 昨日の研究会でお互い仲良くなったものだ。今はまだほんの三日前に会ったばかりだと言うのに、まるで十年来の友人と話しているかのように互いに打ち解けて笑みをこぼしている。

 不覚ながら私も不意に笑ったりしてしまう事がある。私にまだ感情が残っていたなんて意外だが、これはこれで悪くない。

 そんな中、話題は今朝割と大きくとりあげられていたニュースの話(私達が真面目と言うわけではなく、単に大きなニュースとして取り上げられていたから話題に上っただけだ)に移った。

「今朝のニュースを見ましたか?」

「おう舞乃、見たぞ」

「はい、なんでも新科学技術否認委員会(unrecognize new science technology committee)を名乗る組織が各地でデモ活動を行い、活発なところでは暴動が起きて、少し被害と逮捕者が出たらしい。日本でこんな事が起きるのは珍しい」

 そう、確かにこのニュースがどのニュースでも一面を飾った。

 三年前と同様に世界で最も平和とされている日本でデモ活動ならまだしも暴動が起こることなんて普通は無いのだ。そのためニュースで大きく取りあげられたのだろう。

「はい、そうですよね。NSTは今私達の生活になくてはならない物だと思ってましたけど、世の中にはない方がいいって考えている人もいるんですね。私には分かりませんけど、私は割と高位能力者にカウントされる方ですから分からないのかもしれませんね」

「いや、そんなことは無いだろ。NSTは作動原理を公開してないからな。使う時に何か悪影響があるんじゃ無いかって不安があるんだろ?実際、アビリティに応じて体力は取られるわけだしな。それに創始者は未だに不明のままだし、便利だが分からないで使ってる部分が多い。そう考えるならデモが起きても不思議じゃないな」

「でも暴動を起こして被害が出たのはやり過ぎ。しかも被害を出したところをNSTの熟練した警察部隊が、どれだけ抵抗されても無傷で捕らえられたと聞く。これではNSTの有用性を再確認させたに過ぎず、本末転倒」

「そうだな。舞乃はどう思う?」

「えっ、私?そうね、私もそう思う」

「だよな」

「いったい何がしたかったんでしょうか?」

「それはわからない」

 私達は思案したが、結論が出そうになかったため次の話題に移っていった。

 舞乃が一度だけ、歯切れの悪い答えを返したのは、おそらく昨日から今日にかけてメディアに触れておらず、内容がよく分からなかったのだろう。そう考えた私は舞乃の家に着くまで昨日の時事問題を話題にあげることはせず、舞乃も時事ネタ以外なら会話に参加していた。

少数ですが、全く宣伝もしていないのに読んでいただいている皆さん、ありがとうございます。

お陰様で創作意欲が俄然沸きました。

今後とも拙作ですが宜しくお願いいたします。

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