驚愕
主人公が妙に冷静な件www
教室は4階にあるから、常に不便に感じている。今もそうだ。早く帰りたいのに…
やっと4階についた。後は学級日誌を書くだけ。2つの人影が気になるので、まずは扉のガラスから中を覗いてみた。
山井と栗源先輩がいた。 互いに笑顔で
……また意味がわからない。だが何度見てもそこには楽しそうに話す山井と栗源先輩。早く帰ることは諦めて、少し会話を盗み聞きしてみることにした。
「あいつ最近また学校に来てるの」
「また? 何回か嫌がらせはしたんだろ?」
「なんか人が変わったみたいに動じなくなったって言うか…とにかくおかしいの」
「じゃあまた始めればいいじゃないか」
「そう簡単に言わないでよ…」
…盗み聞きとはいえ本人がいる前でここまで悪口を言われるとなんだか可笑しくなってきた。 さて、どうしたらいいだろうか。 教室に入って2人の驚いた顔を眺めるか。 空気を読んで帰るか。 まだ警備の先生がいるから長居は禁物だ。 2人は何らかの準備を装うだろうが。
結局帰ることにした。理由は3択目。迷いすぎて時間が無くなっただけだ。扉からゆっくり、静かに遠ざかる。…だけだったのに。 バキッという音。 今になって校舎が古くなっていたことを思い出した。2人が椅子から慌ただしく立ち上がる音。速く逃げたいが、2つの感情が脳を支配する。 恐怖と、諦め。 結局、立ち上がることはおろか、指一本動かすことは出来なかった。