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正夢  作者: 紫尾
7/17

教室に入ると、またクラスメートがこちらを見てきた。 昨日と同じ反応で、しかし私はどうでもいいので無視しようとした。すると


「おはよう☆」


……あぁそうか、きっとさすがに疲れているんだ。今のは幻聴だ、と考えていると、再び 「おはよう☆」 の声。 幻聴で…ない? 最早意味がわからない。不審に思いながら戸惑っていると、山井がやって来た。彼女も 「おはよう」 と言ってきた。そしてようやく気付いた。 山井の声は明るいが、目が死んでいる。 朝クラスメートが見当たらなかったのは何らかの作戦を練るため。 私も負けじと死んだ目で返してやった。


皮肉だが、今日はいつもよりは少しだけ気楽に過ごせた。担任も2日連続だと安心したらしく、特に何も言ってこなかった。


久々の正夢をこの日見た。 しかし、内容が思い出せない。 やはり最近正夢がややおかしくなってきた。頻度は減ったし、内容が思い出せないのは初めてだ。

そしてさらに2日連続で学校に行った。今日は木曜。正夢を見た事だけ覚えているのだから不安で仕方ない。

あれ以来、クラスメートはあくまでも友人を気取ってきた。 山井は相変わらず目が死んでいるが、他のクラスメートは演技が上手く、気を付けないと本当に友人みたいに思えてしまう。


今日はかわったこともなく、けれどやはり楽しくもなく過ごしている。 クラスメートの演技がどんどん上手くなってきた。 休み時間に山井を放置してまでこちらに接する。 だが 仲良くしよう などいう気持ちは毛頭ない。


下校中、日直の仕事をするのを忘れていて、慌てて学校に戻った。もう辺りは暗闇が広がっている。 時計を見ると、19時をまわっていた。

学校に着いてみると、教室の電気が点いている。目を凝らすと、2人ほどまだ残っていることが分かった。 部活は既に終わっているが… 修了式の為に何か準備でもしているのだろうか。 とにかく、早めに終わらせたい。その一心で階段をかけ上がった。

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