悲劇
彼は、元テニス部。 名前は、栗源康平。 皆に好かれている、爽やかな人。 きっかけは、私もテニス部だったから。 毎日見ているうちに、性格に惹かれていった。
そんな彼が、今私の前に来た。こっちを見ている。私は笑顔で手を振った。
~一時間後~
今でも信じられない……なんでなんだろう 私が手を振った後、彼はまるで嫌な物でも見たかのような顔をして通り過ぎて行った。正夢でなかった夢なんていつ以来だろうか… きっと浮かれすぎていたのだろう。 だからって今回じゃなくてもいいじゃないか… さっきから同じことばかり考えている。
家に着いてからは、心配されないように気丈に振る舞った。
その夜、また夢を見た。内容は、 夕方公園で一人で泣いてる というもの。 何があったのかが気になったが、当然分からない。 ただ、嫌な予感しかしなかった。
2日後、学校に行くと、黒板に大きく私に対する罵詈雑言が。 一体何故なのか。 そんなの知っているはずがない。 目眩のような感覚に陥っていると、後ろから何かで叩かれた。 一度や二度どころではない その後の事はあまり覚えていない。 覚えているのは、先生が入って来る前に私が逃げ出した事。
どこに行こうか… 校内には居たくないし、家は論外だ。 頭が真っ白な状態で辿り着いたのは、夢で見た公園。 そこで私は、人目もはばからず泣いた。
それから数時間後
…いや、私の感覚がおかしくなっていただけで、実際には数分位だったのかもしれない… とにかく、私は涙を流しきって家に帰った。 親は何も気付いていないようだ とりあえず安心。 あたかもいつも通り学校生活を送ったかのように振る舞った。
その夜、また夢を見た。