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正夢  作者: 紫尾
13/17

過去

ところで、中学というものはひどく面倒だ。 義務教育という肩書きが鬱陶しい。 こんな気分ではサボることは出来ない…


教室に着いた。 皆席に座っている。 皆読書の最中だ。 邪魔にならないように足音をたてないように気を付けて座る。 数人に気づかれた。


退屈すぎて午前中の授業は覚えていない。給食は久しぶりだ。 それだけでなんだか少し嬉しい。 なんて気分が次の瞬間には消え失せていたのだが。


…っ!!


給食に虫や髪の毛が偶然にしてはやけに多く入っている。 予想はしていたし覚えてもいたが、やはり慣れたわけではない。

中学のこの頃も私はいじめられていた。 理由は高校のそれよりもっと単純。ただ単に下の奴を見つけて安堵感を得たいがため。 入学したての頃に転んだだけで下に見るとは… 最近の女子は怖いものだ。


「ちょっとアンタさ~あの程度で入院しないでくれる? 先生に色々言われちゃったじゃない」


「また監視が厳しくなっちゃったんだけどぉ~ これで終わりって思わないでよね~」


「ちょっとアンタ聞いてるなら返事ぐらいしたらどう?」


「……はい」


「聞こえない」


はぁ… まさか高校生が中学生に何も言えないとは… 適当なあしらい方を覚えていて本当によかった… しかし何回見ても漫画とかでしか見たことのないような話し方を恥ずかしげもなく… 絡まれているこっちが恥ずかしい。


次の日も例外なくいじめられた。 高校生なんだから とか言い聞かせて耐えるように決意したので、昨日ほど辛くはなかった。

そして昼休み。 私にとって一番嫌な時間。 給食を終えるとすぐにやって来た。…暇なんだろうか。 朝は耐え抜いたので、更に陰湿になることは予想していたが…


「今気づいたんだけどさ~、こいつキモくない?」


「あー分かるわソレ」


今さらすぎる上に今となってはもうどうしようもない問題だ。それは。もっとも、自覚はあるが。

そんな中、いじめるグループの内の一人が突然言い放った。


「あ、コイツの名前の漢字変えたら―─」


この言葉に反応せずにはいられなかった。というのも、こんな展開は初めてだったから。 しかし、最後まで聞くことは出来なかった。 昼休みが終わったからだ。

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