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プロローグ

はじめましてYu_Yuと申します。

ずっと別サイトで書き溜めていた作品を投稿いたします。

何度か読み返し読みにくい部分はないかと思いますが、初作成の作品のため拙い部分もあるかと思います。

どの角度からのコメントでも参考にさせいただきますので、皆様の考えが聞けることを楽しみしております。


2000字程度ごと、区切りよくお送り致します。

 世界の半分を手に入れた。それは単に領地の話ではなく、他のどんな勢力が手を組んでも倒すのが難しいほどの力を持つという意味だった。


「はあ、もう退屈だな」


 玉座の間では、漆黒の玉座に一人の青年が腰掛けている。彼はぼんやりと天井を見上げ、深いため息をついた。褐色の肌に琥珀色の瞳、黒い衣をまとったその姿は、まさに“魔王”と呼ばれるにふさわしい威厳があった。


 だが、彼の体に対して玉座は大きすぎて、不釣り合いに見える。そのデザインは一般的な玉座よりも禍々しく異様な雰囲気を漂わせていた。


「魔王さま、ご報告がございます」


 静かな空気を破るように声が響く。どこからともなく現れた老兵が、青年の前に姿を現した。彼の気配は、世界最強の魔王でさえ感じ取れない。おそらく彼の種族特性で感知が無効になっているのだろう。その実力は並大抵のものではなかった。


「うむ。今回は災害か?それとも勇者の出現か?」


「後者でございます。人間の中に非常に優秀な勇者が現れたとの報告です」


 人間の中には時折、神に選ばれた“勇者”が産まれることがある。彼らは世界のバランスを保つため異常な力を授かっている。しかし、この魔王にとっては彼らは脅威ではない。過去に十人近い勇者を倒し、その経験が今の力を支えているからだ。


「すでに対処は済んだのだろう?」


「はい。西の国で発生したため、西の王が討伐に動いています。後方支援として南の王の部隊も派遣済みで、報告を待つのみです」


 魔王の配下には東西南北それぞれの国を治める『王』がいる。彼らは四天王の補佐役として現場で経験を積んでいるのだ。各地で起きる問題にはまず彼らが対応し、手に負えなければ四天王が出動する仕組みになっている。


「他に変わりはないか?」


「ございません。征服の準備は着々と進めております」


 征服とは、四天王を筆頭に世界を支配しようという動きだが、魔王である青年自身は全く関心がない。そもそも世界征服には興味を持っていないのだ。


 報告を聞きながらも、彼は肘掛けを指で軽く叩く。


 元々、魔王になるつもりはなかった。力のない者には自由も生命も保証されない魔族の世界で、偶然の積み重ねから勇者と戦い、前の魔王に認められただけだった。


 支配欲もカリスマ性もないまま、気づけば玉座に座り続けている。そんな彼に支配の意思が生まれるはずもなく、今はただ無気力に座っているだけだった。


「そちらは勝手にやってくれ。俺には興味ない」


「かしこまりました」


 老兵は一礼し、音もなくその場から消えた。気配すら消えて、この玉座の間には何も残らなかった。おそらく城の外に出て部下に指示をしているのだろう。外の空気は、忙しく動き始めている。


「はあ、正直飽きてきたよ」


 そうつぶやく魔王は、何かを成し遂げたいと思えない自分の“悪癖”を自覚している。


 彼は何かを成し遂げたいわけではない。ただ、死にたくなかっただけだ。


 多くの者は夢を持ち、そのために努力を重ねて実現させようとするだろう。強い力や才能を持つ者ならなおさら、もっと大きな目標に向かって進んでいくはずだ。そうすることで強い原動力を得て、結果もより良くなるはずだ。


「そう考えると、俺にとっては生きることが何よりの原動力だったのかもしれないな」


 誰もいない玉座の間でつぶやく声は外には届かない。


 ただ死にたくなかった。誰よりもその思いが強かったからこそ、今の力を手に入れられたのだと自分で納得している。


 だからこそ、あり余る時間を使って新しい魔法の開発に没頭できたのだ。


「使うチャンスがあるのだろうか……」


 彼が考えた魔法の発動条件は一つだけ、術者の死だ。あらかじめ魔力を注ぎ込んでおき、死の瞬間に魔法が発動する。自分と相手の運命を結びつけ、必ず相打ちに持ち込めるようにする、そんな魔法だ。完成までに約百年かけてようやく形になった。


「しかし、使う機会なんて本当に来るのか……」


 無気力に呟いたその言葉は、何かの答えを求めているわけではなかった。


 城の面々が聞けば、「魔王に並ぶ者などいません」や「そんな者が現れる前に我々が討ち取ります」など、励ます言葉を返すだろう。


「そういう返事は聞きたくないんだよなあ」


 魔王は再び天井を仰ぎ、大きくため息をついた。


 一方で、こちらでは晴れない思いを抱えた議会が始まろうとしていた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


今回はプロローグの中でも走りの部分のみですので、感想も何もないと思います。

プロローグの5話分は、早々にあげ切りたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。

その後は週一ぐらいの頻度で更新して参ります。


さて今回は絶対的な力を持つ魔王の登場回となりました。最初の一文のイメージは皆様も想像された通りリドラクエを意識してのものです。といっても、私しはドラクエを通っておらず専らポケモンをやっておりましたので実際の緊迫感は知りません。

脱線いたしましたが、そんな彼は無気力に目的もの魔王という称号をえてしまい日々を過ごすうちに類のない強さを身につけてしまうことになりました。

そんな様子を見た神々の様子が描かれるのが次回になります。

作品を読む間、投稿を待つ間。少しのお時間を頂けますと幸いです。


ではまた。次の時に。

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