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最初の人類アダム、最後の人類俺_
「おーい、ハルーもう昼だぞー起きてこーい」
世界は終わった、いや地球という名の一つの世界がつい最近終わりを迎えた。
全人類がその形をなくしていく中、俺だけなぜか生き残ってしまった。
これは最後の人間、俺こと“アキリオ”そして俺を助けた天使“ハルナシ”の物語である。
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ぼんやりとした意識の中で最初に見たものは天使だった。
シルクのように柔らかく大草原に吹く爽やかな風に靡く真っ白な髪、青空を閉じ込めた瞳。
そして身体よりも大きい羽根。
死んだのか。ふとそう思った、思わざるを得なかった。思考するのを今すぐ辞めてしまいたかった。
目から流れる生暖かい水滴は今まで生きてきた人生すべてを投げ出すのに持ってこいの材料でしかない。
「アナタ、まだ生きてますよ。」
薄い唇が揺れ、弧を描く。発せられたその言葉は希望か、絶望か。