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ゆきの彼方  作者: 水野渚
第1章
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第5話「アイドル、その歴史」

ゆきのコンサートを初めて見てから数日後



オレは書店にいた。

そこで目に付いたひとつの本があった。


「アイドルの歴史」とかかれている


この前初めて、ゆきのコンサートを見てから、あの後も何度かゆきのコンサートに通った。

しかし、実際のところ「アイドル」というものがなんなのかはまだ、よくわかっていない。

オレは、アイドルという存在をもっと知りたいと思うようになっていた。



オレはその本を手に取る。


「なになに……」


アイドルの歴史

著者:本郷 聡


アイドルとは?


アイドル、それは。人々の希望となる存在。

美しい容姿と、高い歌唱力を持ち、ステージで歌い踊る。

その輝かしい姿に人々は勇気と希望を貰った。

アイドルとは人々を笑顔にし希望を与える存在であら。


アイドル、その歴史

アイドルの始まり。

それは今から約10年前、突如現れた。

スターダストプロダクションによる発売された1枚のCD「Stay ever…」


それは、最初は見向きもされなかった。

しかし、その歌い手は発売イベントで街中で生歌唱した。

だれも見ていなかったそこイベントに、いつの間にか自然に人が集まる。

彼女、「神崎ひな」は、

その歌声と美貌だけで、人々を惹き付けたのだ。

それが、全てアイドルの始まりだとされている。


神崎ひなのCDは口コミで次々と広まり。

瞬く間に大人気となった。

人々はいつからか、彼女のことを「アイドル」と呼ぶようになった。

彼女はその絶対的な力で、人々を魅力していった。

ついには、ドームにて10000人もの観客の前でコンサートを成功させた。

世界が彼女に熱狂した。

彼女は初のアイドルであり。トップアイドルでもあった。

…しかし。

彼女が齢20を迎えたある日。

神崎ひなは、突如アイドルの引退を宣言した。

世間はそれを受け入れられなかった。

だが、ひなの意思は固く、だれもそれを止められるものは居なかった。

アイドルの歴史は神崎ひなの歴史とほぼ同義。

神崎ひなの引退後、残されたアイドル界には多くのアイドル達が表れはしたが。

とうとう、神崎ひなの後に続く人気ものは現れなかった。


それから10年…

衰退していくアイドル界はいまにも消え去るかに見えた。

だが、そこに、2つの新星が現れた。

それが、現在のアイドル界の2大巨頭と言われる。

「月城ゆき」と「金城まお」である。


その歌を聞いた誰もが「癒し」を得るという天使の歌と、可愛らしさのビジュアルを併せ持つ「月城ゆき」

自らを「女王(クイーン)」と称し。ファンを下僕と呼ぶ過激なスタイルのステージ。しかしその美しい姿に目を奪われる「金城まお」


彼女たちの登場によりアイドル界の勢力は激変した。

2人の人気はどんどんと上がり。今では2人はアイドル界のトップ二大勢力となった。

2人の人気やセールスは常に横並びであり。

ゆき派とまお派でファン同士が争うこともしばしばある。

しかし、そんな盛り上がりもあってか、アイドル界、再び活気を取り戻しつつある。

彼女たちの活躍が今後の業界の行方を決めるといっても過言ではないだろう…。


……

「ふーん。なるほどねぇ」


かつて、神崎ひなというトップアイドルがいた。

しかし、彼女は既に引退しているのか。

神崎ひな、という名前はオレも聞いたことがある。彼女の歌は色々なところで聞くし、「Stay ever」はカラオケでも定番曲だ。

しかし物心ついたころには既に引退済みだったのか。オレは彼女のアイドルとしての顔はほとんど知らない。


それにしても気になるのはその後に書かれていたことだ…。

アイドル界の2大勢力「月城ゆき」と「金城まお」……


「ゆきと、金城まお…。あいつらって実は、けっこう凄いやつらなのか……?」


書店をよく見てみると、雑誌の表紙にゆきや金城まおが使われているものがあったりするのを見かける。

自分が気付いていなかっただけで、実は2人の人気はかなりものものようだった。

そんな事を考えていると、そこに見覚えのある姿が見えた。


「あれは……ゆき?」

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