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最初の関門

《城塞都市エルサレム》に向かうための道中

 特にモンスターにも出会わず無事に門の前に着くことができた。


 多分周辺にいるモンスターぐらい倒せると思うが俺にとっての最初の関門は、どうやって警備兵の目をごまかすかだ。


 万が一、俺達が魔族とバレてしまったら面倒なことになってしまう。


 一番楽なのは、話を掛けられずスルーされることなのだが……


「ん? そこの人達。止まってください」


 そう上手く行かないのが現実である。


 よろいを身に纏っており、右手にはスピアを持っている青年が俺たちを呼び止めた。


「な、なんでしょうか?」

「すみません。私達は、この門を入ってくる人物をチェックするという役目があるので……あなたたちは……?」


 くっ……やはりか。

 だが人間にも俺の言葉が通じるという収穫もあったため複雑だ。


「俺たちは、各地の地方を旅している普通の旅人です。」

「なるほど……」


 青年は俺たちを、じっと見つめて


「特に異常はなさそうですね。どうぞ通ってください。」


 そう言うと、門を開いて道を通してくれた。


 ぐへへ……ちょろいってばよ。


 俺は内心で笑いながら門を、くぐった。

 スカーレットも特に口を挟まず見ていたのもナイスだ。


 後ろの二人も無事に門を、くぐれたことに喜んでいた。


「良かったのう、ソフィア!」

「はい、魔王様。」


 すると突然、先程の青年が耳をピクッと動かして 


「……魔王様?」

「あっ」


 バカヤローーーーーーーーーーー!!!!!


「す、すみません。さっき魔王様と……」


 俺は急いで二人の間に入って


「はははははは!! 違いますよ!」

「い、いや確かに魔王という単語が聞こえたのですが……」

「あー、いやその……」


 まずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずいまずい


 俺はスカーレットを抱き寄せて


「この子の名前はマオーって言うんですよ!」

「は、はぁ」

「はい。そのせいで村の者達から迫害されて……挙げ句の果てには村を追放されて……そして、ようやくこの街に……うぅ……」


 俺は腕で顔を、隠して嘘泣きをした。

 そして、チラリとソフィアを睨みつけた。


 それを察したソフィアは俺と同様に両手で顔をおおって嘘泣きを始めた。


 バレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなバレルなーーーーーーー!


 青年は同情したような顔で


「そうですか……それはさぞかしお辛かったですよね……どうぞゆっくりしてください。あっ、あと地図いりますか?」

「あっ、はい。ありがとうございます。」


 なにこの青年めっちゃいいやつやん。

 青年ならぬ『聖年』かな?


「それではごゆっくり。」

「はは……ありがとうございましたーー!」


 俺はソフィアの首根っこを掴んで人目のない路地裏へと入った。


「おうおう、ソフィアさんよ。何してくれてんだ? ああ?」

「ひいぃっ! すみませんすみませんすみませんすみません!」


 すみませんで済んだら警察いらないんだよ

 って言おうもんなら今度は本気マジで泣き出しそうなのでやめとく。


「いや〜、ファインプレーだったのう。ガルディアよ。大義であったぞ。」

「ありがとよ。よし、それじゃあ行くぞ。今度はヘマやらかすなよ。」

「は、はい。」


 まさかソフィアが、こんな凡ミスするとは……なんか見た目天然キャラそうだし、やるとは思ってたけど、こんなに早くか。


 俺はさっき聖年から貰った地図を頼りに目的地へ歩を進めていった。


「それで、どこに行くのじゃ?」

「コンクリートやレンガを購入するにも金が必要だからな。俺達が手っ取り早く稼げる方法と言ったら……ここしかねえだろ」

「ここって……」


 目の前には他の建造物よりも高い建物……

 それはみんな大好きの“冒険者ギルド”である。
















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