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再建

「それじゃ、おやすみなのだー!」

「ガルディアさん。お休みなさい」


 腹が膨れて眠くなったのか、二人共床で横になり寝てしまった。


 俺にも眠気が襲ったが、ここはぐっと堪える


 まず最初にやるべきなのは、城の再建だ。

 あのボロ城をなんとかしないと、魔界としての示しがつかないし、実感もわかないだろう。


 俺は近くにあったランプを近くに置いて、ポーチに入っていた少し大きめの紙とペンを取り出した。


 まずは、設計図だ。

 普通に書けば何ヶ月か……最悪一年は掛かってしまうが、前世で書いた設計図を自分の記憶を頼りに書いていく


 この際、設計が同じでも世界違うしなんとかなるだろ


 書く前は不安だったが、案外なんとかなるもんだな。


 だが書く量が多いので徹夜は確定だろう。

 はぁ……俺も早く寝たい……


 スカーレットは、大きなイビキをかきながら

 大の字になって、寝ている。


 一方ソフィアは、静かにスヤスヤと眠っている。


 俺も早く終わらそう……


 ◇


「……むっ?」


 ……どうやら俺は気づいたうちに眠ってしまったらしい。


 立ち上がって背伸びをするも、眠気は取れない


 設計図は一応完成した。

 深夜、徹夜したかいがあるってもんよ。


 俺はまだ眠いので二度寝をすることにした

 まだ二人共ぐっすりと寝ているので、大丈夫だろう。


 前世なんかは、二度寝しようもんなら親父に

 叩き起こされたからな。


 再び横になって、腕を枕にして夢の世界に旅立とうとした瞬間に


「ふごっ!?」


 顔面に衝撃が走る。

 なんだと思い、離れて目を開けると寝ているスカーレットの右足が俺の顔面に直撃したのだ。


「……ったく。こいつ寝相悪すぎだろ」


 右足を退けて、寝ようとすると今度は後頭部に走る


「いでっ!」


 振り向くと、ソフィアの左足が俺の後頭部を

 にキックをしていた。


 この世界の魔族は全員寝相が悪いのだろうか


 そして、畳み掛けるように、さっきどかしたスカーレットの右足がまたしても、俺の顔面に直撃する


「……てめえら起きやがれーーーー!!!」

「「きゃい!?」」


 俺の怒号がボロ屋全体に響き渡る

 その反動で少し揺れて、二人は、飛び起きた


「な、なんなのだ!?」

「いい加減起きやがれ! もう朝だぞ……多分」


 魔界には太陽がないので、分からないが多分そこらへんの時間だろう。


「うーん……もうちょっと寝かせてくださいよ〜」

「そうだそうだ……なのだ」

「この寝坊助ねぼすけコンビが! お前らは十分に寝たんだから起きろ! ほら顔洗ってこい。」


 そう言うと、二人は目をこすりながら仲良くボロ屋から出る


 先程までの眠気は、どこへやら。

 さっき叫んだおかげで目が覚めた。


 それに『早起きは三文の徳』って、どっかの誰かが言っていたし


 俺はまたポーチから食料を出して、朝食の準備をした。








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