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神々の遊び

「異世界……転生?」


 俺は目の前にいる女神(?)から訳のわからん話を聞かされた。


「神という職業は、割とストレスのたまるものなんですよ。だからその気晴らしに『異世界転生』という遊びをしだしました。」

「おい待て。その異世界転生というのはなんだ? ちゃんと説明してくれ。」

「おっと、これは失礼。では説明しますね」


 女神は、椅子をかけ直して、真剣な表情で異世界転生というのを話しだした。


「神々達は、『地球』という戦争も魔法もない平和な星で死んだ者たちに固有スキルを与えて、異世界に転生させてその行く末を見守る遊びです。」


 なるほど……つまり死んだ者たちの第二の人生と言うことか。


「最初はまだ可愛い遊びだったのですが、

 物事が進むに連れて、エスカレートし始めてしまったのです。」

「……と言うと?」

「神々は、自分が転生させた者が活躍させたいという願望があり、最強のスキル……いわゆる《《チート》》能力を与えだしたのです。」


 いやお前ら何してんだよ。


「その結果世の中のパワーバランスが崩壊

 して、量産勇者により魔界は壊滅的な被害を受けることになりました。」

「ふーん、頼み事ってのはそれか?」

「はい、あなたが前世でやられたように、魔界を統治してほしいのです。」


 ……ちょっと待てよ?


「別にあんたらからしたら野蛮やばんな魔界は、さっさと滅んでほしいんじゃねえのか?」


 女神はしばらく沈黙した後


「……確かにそうです。ですがよく考えてください。倒すべき悪が失くなってしまったら量産されたチート勇者はどうなるか?」

「……まさか」

「そうです。今度は己の欲望のために神の力を振るい始めます。」


 ……まぁ一般人がいきなり強力な力を手にしてもそれを正しく扱えるかと聞かれれば疑問が残るしな


「そうなると、人族も滅んでしまい最終的には両者共倒れという最悪なバッドエンドを

 迎えてしまうのです。」


 すると女神は熱意のこもった視線で、俺の手をがっちりと握り


「それを回避するためにも! 経験豊富な

 あなたに頼ったというわけです!」

「……なるほどな」


 俺の答えは、話を聞いた時点で決まっている

 俺の答えはもちろん……


「超断る。」

「……へ?」


 あっけらかんとしている女神に俺は言った


「いやいやお前何言ってんだよ。魔王なんだと思ってるんですか? 別に俺は実はいい人系魔王じゃないからね? なんでそんな面倒くさいことしなきゃいけないんだよ。」


 女神の視線が急激冷めたものを見る視線になっているが、この際どうでもいい。


 すると、女神は立ち上がり四つん這いになって


「お願いします! 本当に! いやマジで頼みます!」


 渾身こんしんの土下座を披露した。

 こいつの土下座なんて、なんの価値もないと思うのだが、それを言ったら殺されそう


「無理無理。俺が前世で、魔界統治するのどれだけ大変だったと思ってるんだ。」

「そこをなんとか!! 早急にあの世界をなんとかしないと、今年のボーナスに関わってくるんです! あとクッキー食べたでしょう!?」

「知るか! 確かにあのクッキーは美味しかったが、それとこれとは話は別だ! 自業自得なんだからお前らがなんとかしろ!」

「……」


 さっきの女神の威厳は、どこへやら

 今、俺の目の前にいるのは、わがままなクソガキである。


 すると、女神は俺に満面の笑みを浮かべて


「……分かりました。」

「ようやく分かったか、なら俺を天国に早く連れて行け――」

 パチンッ!


 ……ん?

 女神はまた指パッチンをしたあと、俺はなにかに吸い込まれていった。


 後ろを見てみると、さっきまではなかったブラックホールみたいなのが、俺を引きずり込もうとしていた!


「ちょちょちょちょーい! お前どういうつもりだ!?」

「ふふふ……頼みを聞いていただけないのなら強制連行ですよ。」

「お前本当に女神かよ!」

「それでは魔王ガルディアよ! あなたのご武運をお祈りしています!」

「てめえなに今更そんなこと……あ、ああああああああああああ!!!」


 俺は魔界の入口みたいな、穴に吸い込まれた



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