表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/32

連理とユキノ③

 久しぶりに訪れた表世界。

 1ヶ月も離れていなかったはずなのに、随分と懐かしく感じる。

 マヤによって飛ばされたのは、帝国軍が派遣されたという地区の廃ビルの屋上。

 万が一にもこちらの世界の住民に転移の瞬間を目撃されないようにという配慮だった。


「連理!」


 転移が終わった直後だった。

 ユキノがなにかを察知したのか叫んだ。

 俺は反射的に身を仰け反ると、ちょうど死角となる位置から槍が伸びてきた。

 あと1秒遅れていたら胸を貫かれていた。


 奇襲だと⁉︎

 予想外な事態に驚愕する。

 だが、ユキノはまるで予めこの展開を予想していたかのような冷静かつ鮮やかな対応をみせる。

 太もものホルスターに装着された剣の柄を抜いて、炎と氷を同時展開。

 俺に襲いかかってきた敵兵を真っ二つに切り裂いた。


「なにをボザッとしていますの⁉︎ 次がきますわよ‼︎」


 既に俺とユキノは数十人の兵に包囲されており、蜂の巣状態だ。


「あぁ、悪りぃ」


 突然のことで驚きはしたもののもう落ち着いた。

 すぐさま俺はデスペラードを二丁銃として顕現させ、心を闇色に染める。


「あなたは右側の敵をお願いしますわ! わたくしは左側を片付けます‼︎」


 こちらが臨戦態勢を取ったせいか一斉に襲いかかってくる兵隊。

 それを受けてユキノが命令する。

 俺は無言でそれに頷くとすぐさま駆け出した。

 まずは相手を観察。

 獲物の種類が剣や槍といった接近戦の類いのものしかないことを目視すると、躊躇なしに銃を乱射。

 デタラメでもいいのでとにかく撃ちまくり迫る兵を押し留める。

 接近戦では不利だと悟った兵はすぐさま後退を余儀なくされる。

 狙い通りだ!


 相手が怯んだ隙に一気に俺は攻めへと転じる。

 デスペラードを二丁銃から双剣に変更。

 勢いよく切り込み兵の首を纏めて刎ねる。


「く、くそっ、なんなんだこいつ!」


 兵の1人が恐怖で動揺する。

 だが、いくら戦意喪失していようと関係ない。

 さっきの一撃で5人ほど葬ることに成功したため敵の陣形が乱れている。

 新たな生み出した好機をもちろん見逃すわけもなく、俺は残った兵を銃で撃ち抜いた。


「こっちは終わったぞ」


 体感にして2分弱。

 俺は任された兵を全滅させると隣で戦うユキノに声を投げる。


「こっちも片付きましたわ」


 当然のごとく無傷で勝利を収めるユキノ。

 しかし、そんな鑑賞に浸っている暇はない。

 いまはなぜ威力偵察である兵が俺たちを待ち伏せして襲いかかってきたか、ということだ。


「全滅するまで142秒。まぁ、所詮はただ纏まっただけの二等兵集団ですからこの程度が妥当でしょうか」


 背後より聞こえてくる女性の声。

 その声は、草履を履いた足で砂利をすり潰しながらゆっくりと近づいてきた。


「あなたは?」


「紹介が遅れました。私は七影剣ニノ刃、キリヒメと申します。あなた方を抹殺するために馳せ参じました」


 丁寧に腰を折り、自己紹介をする和服美人。

 長い黒髪をなびかせるその姿は見る男性をすへで魅了してしまうほど美しかった。

 だが、敵である以上そんな色香に反応している暇はない。

 俺はすぐさまデスペラードを二丁銃へと変えてキリヒメと対峙するのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ